1.耳をこちらに向ける
呼んだ時に「ニャッ」と鳴いて返事をしてくれる猫もいますが、多くの場合で猫がする反応は、耳を動かすことでしょう。
正面から呼んで耳をピッと前へ向けば、声を出していなくても猫のとっての「ハーイ」という返事です。もし、うしろから呼べば後ろ側に耳を傾けるでしょう。呼ばれていることには気付いているようです。「なに?」といったところですね。
ときに猫は、片耳だけをすこし動かすときがあります。それは、呼びかけに気付いてはいるものの、「あまり興味がないな」と感じている証拠。もしかしたら、別の物事に気を取られていて、呼びかけに応じるほどではないと思っているのかもしれません。
一方で、名前を呼んでもまったく耳の動きがない場合は、グーグー眠ってしまっていて、呼びかけの声に反応していない可能性があります。大事な用事でなければ、そっと寝かせておいてあげましょう。
2.まばたきをする
猫を呼んだときに、こちらを向いてゆっくりとまばたきをすることがありますが、これも猫にとっての返事のひとつと考えてもよいでしょう。
猫にとっては目をみつめることは敵意を示す行為ですから、猫はたとえ相手が飼い主であっても、みつめられたら衝突の危険を回避するために、まばたきをする習性があります。
ところで、猫のまばたきには2種類あるのをご存じでしょうか。しっかりと目を閉じてから目を開けるまばたきと、薄目の状態で少しまぶしそうにする「スローブリンク」というまばたきです。
しっかりと目を閉じたまばたきをした場合は、好意的に「はぁい」と返事をしています。手を差し伸べれば、こちらに近づいてくるでしょう。ただし、それ以上見つめすぎないよう気を付けてください。
一方、スローブリンクは敵意がないことを儀礼的に伝える手段です。もちろん、猫は呼ばれたことは理解していますが、気持ち的には「はいはい、わかってますよ」という感覚なので、呼ばれたことにウキウキしているわけではなさそうです。
3.しっぽを大きくゆらす
猫がしっぽで感情を表現することを知っている人は多いでしょう。
しっぽの動きには、いくつかのパターンがあります。警戒するときは、しっぽの先を下に向け、友好を示すなめらかな動きや興味津々な気持ちが、しっぽをピーンと立てることで出てしまうことも。
飼い主に呼ばれたときには、左右に大きくフワッと揺らすか、バタバタ床に打ち付けるパターンが考えられます。
左右にフワッと動かすのは、すこし期待感を表す仕草で、猫なりの「なぁに~?」という返事です。ちょっとメンドくさそうにも感じますね。
横になっていれば、いちいち動きたくないのかもしれません。しかし、この動きはしっぽの短い子では、ちょこっと動くことしかわかりません。
一方、しっぽの付け根あたりからバンバン音がする勢いでパタパタ振っていれば、呼ばれたことにイライラしています。寝ているところを起こしてしまったのでしょうか。機嫌を損ねてしまうので、そっとしておきましょう。
まとめ
猫に呼びかけたときに見られるいろいろなボディランゲージについて紹介しました。
猫の気持ちは、耳や目、しっぽの動きなどから読み取れます。もちろん耳だけ、しっぽだけでなく、ときには、いくつかの仕草を組み合わせて気持ちを示すこともあります。
名前を呼んだとき、耳がこちらを向き、しっぽがゆらっと揺れたらうしろを向いていても、返事している証拠でしょう。
注意したいのは、猫が別のことを考えているときの反応です。窓から外にいる鳥などを見ているようなときは、呼ばれたことに気付かず、まったく別の反応が返ってくることもあります。
また、猫の気分は変わりやすいので呼んだときの反応と、そのあと近づいたときの気分が変わってしまうかもしれません。
そのため、猫の感情を理解するためには、普段から猫の様子をよく観察することが大切です。微妙なニュアンスも感じ取れるようになると、猫の気持ちは手に取るようによくわかるようになりますよ。