行方不明になった愛猫
英国Worcesterに住む男性によると、大ケガをした愛猫を救ってくれたのは、近所に住む別の猫だったといいます。
ある夜、Martin Harrisさんのトラ猫Kaiju(4歳)が行方不明になりました。この猫が長時間自宅に戻らないのは、とても珍しいことです。
その後36時間たって、Kaijuが近所の猫Buddyに支えられながらよろよろと戻ってきたのを見て、MartinさんとパートナーのMichelleさんはびっくり仰天でした。
「うちの猫は、ふつうは夜9時半までには戻ってきます。そして台所で眠りにつくのです。でもそのときは戻ってこなかったため、Michelleが『Kaijuが帰ってきたらドアを開けられるように、階下で眠ってね』とわたしに頼んだのです。でも何時間たっても帰ってきませんでした」
「翌日の夜は、念のためベランダに通じるドアを開けたまま、ソファに横になってテレビを見ていました。すると近所の猫Buddyがやってきたのです。わたしは『Buddy、うちの子を知らない?』と声をかけました。するとBuddyは庭のほうに目をやりました。そのとき、Kaijuが現れたのです」
大ケガをした猫を、すぐ動物病院へ
Kaijuの腹の毛はちぢれてからまり、顔にはひどいキズがありました。あごの骨も折れているようでした。目は腫れ、鼻血も出ています。
Martinさんは「猫が帰ってきた!ケガをしている」と叫んでMichelleさんを呼びました。さっそく動物病院に運び、そのまま入院することになったのです。
「うちの庭にはとても高い塀があるので、それを乗り越えてキズついたKaijuをここまで連れてくるのは、かなり大変だったでしょう。Buddyはまさに命を救ってくれた英雄です。こんなことが起こるなんて奇跡です」
Martinさんは、今回の経験で「動物はお互いを理解する能力がある」と確信しました。そうでなければ、Buddyの思いやりのある行動は説明できません。
家族の支えで回復をめざす
MartinさんはKaijuの手術代と治療費のため、ネット上で募金活動を始めました。目標額は1000ポンド(約19万円)ですが、すでに610ポンドも集まっているそうです。人々の厚意に彼も感謝の気持ちでいっぱいです。
「さきほどKaijuを見舞ったのですが、自分のキズついた体を見せたくないのか、すぐ顔を背けてしまいます。これにはMichelleもショックだったようです。わたしは猫の耳をなでて慰めました。その瞬間、Kaijuはこちらを見上げて『ボクは大丈夫。元気になれるよ』と、目で訴えてきました」
実はMartinさんとKaijuは、2022年10月に病気にかかったMichelleさんを一緒に支えてきました。そのときKaijuは、彼女のそばを片時も離れなかったといいます。
今度は家族の支えで、Kaijuが健康を取り戻す番ですね。そして隣家の心やさしいBuddyも、順調な回復を応援していることでしょう。