1.毛繕いをするから
そもそも「毛球症」とは、猫の胃で毛玉が大きくなることで猫が嘔吐する、腸管に詰まってしまうもしくは体調不良を引き起こすことをいいます。症、と名が付いていますが正式な病気ではありません。
猫が毛球症を引き起こすのは、毛繕いするときに自分の毛を体内に取り込んでしまうから。通常は体内に入った毛は消化管を通過し、糞便と共に排出されます。しかし、何かしらの要因で排出される前に胃の中で毛玉が大きくなると嘔吐という方法で排出されます。
毛球症といっても、毛繕いにより体内に猫の毛が入ること自体は自然なことです。基本的には無症状であることがほとんどですが、毛玉のサイズや嘔吐の頻度によっては注意が必要な場合もあります。
2.皮膚トラブル
前述の通り、毛球症は猫が自分の体を毛繕いすることで発生します。その毛繕いの頻度を増やす要因のひとつが、皮膚トラブル。
猫は自分の皮膚に痛み・痒みなどの違和感があると、毛繕いの頻度が増加する傾向にあります。痛みやかゆみを紛らわせようとしているのでしょう。
つまり、毛繕いの頻度が必要以上増えることで、体内に入り込む抜け毛の量が増加するのです。その結果として毛玉ができやすくなり、本来であれば毛玉が発生しない猫でも毛球症のリスクが高くなります。
3.メンタルの不調
実はメンタルの不調も、毛球症を引き起こす原因のひとつです。
猫は精神状態が不安定になると、毛繕いすることでストレスを発散しようとする習性があります。その頻度が多くなると、当然体に取り込む抜け毛の量も多くなります。結果的に、毛球症が発症する可能性が高くなります。
引っ越し直後など猫がストレスを感じやすい時期は、毛繕いしている頻度も注意深く観察してあげましょう。
4.長毛だから
長毛種の猫は毛が長い分、毛球症のリスクが高めです。
通常の被毛を持つ猫よりも毛が長く絡まりやすいため、少量でも毛玉を形成しやすい傾向にあります。そのため、長毛猫を飼うときは、定期的なブラッシングやシャンプーなどで抜け毛を定期的に取り除いてあげることが大切です。
特に注意しなければいけないのが、「換毛期」です。換毛期に入ると、猫の抜け毛が一気に増加するため、毛球症を引き起こすリスクも高くなりやすいです。長毛猫は可愛らしく人気も高い猫種たちですが、毛並みの手入れは意識してあげなければなりません。
「毛球症」の症状
「毛球症」の症状についてですが、基本的には大事になることはそう多くはありません。大抵は嘔吐して毛玉を吐き出すだけ。小粒程度の毛玉であれば症状に出ないこともあります。
ただし、「毛玉を吐く回数が多い場合」と「下痢や食欲不振が起きている場合」は注意が必要です。
そのような場合、毛玉が大きくなり過ぎて「腸閉塞」を引き起こしている可能性があります。毛玉が大きくなりすぎると自然な排出は期待できないため、手術によって取り除くときもあります。
愛猫の様子があきらかにおかしいと感じたときは、油断せずにすみやかに動物病院に相談しましょう。
まとめ
猫はよく吐く動物ですので、毛玉を出すことも珍しくありません。そのため、「毛球症」は飼い主がうっかり油断しやすい病気です。「毛玉だから大したことない」と、高をくくっていると、気づかないうちに愛猫が重篤な状態になってしまうことも。
毛玉だからと侮らず、その他に異変や嘔吐の頻度等を注意深く観察してあげましょう。今回の記事を参考に、猫の「毛球症」に備えてあげてください。