1.お腹を見せる
仰向けになった猫の体勢を「へそ天」などと呼んだりしますが、これは飼い主を信頼しているからこそ見せる行動です。猫のお腹は内臓が詰まっているにも関わらず骨がありません。一番の急所を無防備に出すのは、「近くに敵はいない」と感じているからこそです。
もともと猫は、子猫時代に母猫に構ってもらうためお腹を出すことがありました。成猫になってもお腹を見せるのは、その習慣が残っているからと考えられます。「甘えたい」「遊びたい」という気持ちを訴えているのでしょう。
ただし、何かに興奮しているときや背中を掻くときにお腹を出すこともあります。へそ天したからといって必ずしもお腹を触ってほしいとは限らないので、不躾にお腹を触らないように気を付けましょう。
2.喉をゴロゴロ鳴らす
猫が「ゴロゴロ」と喉を鳴らすのも、飼い主を信頼している証拠です。リラックスして気分のいいときや、甘えたいときに喉を鳴らします。どのように出しているのかは今もって謎に包まれていますが、これもまた子猫の時代の名残です。
生まれたばかりの子猫は視覚や聴覚が未熟で、母猫の存在を上手に認識できません。そのため母猫は、ゴロゴロという周波数によって子猫に存在を伝えます。一方、子猫は生後1週間ほどで自らもゴロゴロ音を出せるようになり、母猫とコミュニケーションできるようになるのです。
人間に例えると「笑顔」にあたるといわれるゴロゴロ音ですが、低く大きなゴロゴロはまったく異なる意味を持ちます。これは、痛みやストレスなどネガティブな訴えとして出しているものなのです。
そのため、低く大きなゴロゴロの場合は、愛猫にとって何が苦痛になっているのかよく観察してあげましょう。
3.そばで眠る
猫が寝床を決める条件は、温度や湿度が心地よいか、そこが安心できる場所かどうかの2点です。どれだけ心地よい温度でも、苦手な人がいる場所では眠りません。その意味では、飼い主のそばでぐっすり寝る猫は間違いなく飼い主を信頼しているといえるでしょう。
また、飼い主の体のどの近くで寝るかでも信頼度を推測できます。最も信頼度が高いのは顔付近。子猫が母猫と顔を寄せ合って寝ると安心するように、飼い主にも全幅の信頼を寄せているのでしょう。対して足付近で寝る猫は、手を出されるのではないかとやや警戒しているといわれます。
しかし、もともと猫は静かな場所で1匹で眠る生き物です。わざわざ飼い主のそばに来て寝るということは、警戒心の差はあれど「甘えたい」「守ってほしい」という気持ちの表れだといえます。
愛猫の「特別な人」に昇格するための方法
愛猫に嫌われているわけではないけれど、今ひとつ愛猫にとっての「特別な人」承認されている感覚がつかめない、という飼い主さんも少なくないかもしれません。
「特別な人」として愛猫に信頼されたい場合は、以下の3件に関して配慮することをおすすめします。
静かな動作を心掛ける
大きな身振り手振り、大きな声やヒステリックな声が苦手です。
なるべくゆっくりと静かに暮らし、猫が安心できる存在になりましょう。
住みやすい家にする
猫は、部屋を見渡せる高い場所が好きです。一方で、人目を避けられる狭くて暗い場所も必要とします。
猫の習性を理解し、心地よい環境を整えてあげましょう。
猫の甘えに答えてあげる
猫は自由を愛する生き物です。いつでも甘えたい、遊びたいと思っているわけではありません。
一方的に構おうとせず、猫の気分に寄り添うようにしてあげましょう。
まとめ
猫が信頼している人に見せる行動は、子猫時代に母猫に対して行っていた習慣に基づくものが多いようです。飼い主を母猫のように慕っていると考えると愛おしくなりますね。
甘えん坊な性格の猫は、飼い主が特別なことをしなくてもこれらの行動を見せてくれます。しかし猫の性格によっては、信頼を勝ち取るのにとても時間がかかることもあります。
愛猫がなかなか心を開いてくれなくても焦りは禁物。あくまで猫のペースに合わせ、ゆっくりと信頼関係を築いていってください。