猫が『鼻クソ』をつけているときの原因3つ できやすい猫のタイプやきれいに取り除く方法も

猫が『鼻クソ』をつけているときの原因3つ できやすい猫のタイプやきれいに取り除く方法も

猫の鼻の穴の脇に、黒っぽい塊を見ることはありませんか?それは、猫の鼻クソかもしれません。まったく気にならない猫もいれば、「よくついてる」という猫もいるでしょう。猫の鼻クソはどんなときにできてしまうのでしょうか。原因とお手入れ方法を紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.生活環境

床に転がる猫

鼻クソは、鼻から息をするときに、ホコリやチリ(砂や小さなゴミなど)を吸い込むことでできます。

息をするとき、鼻から吸い込んだ空気は、鼻腔や気管を通って肺に送られます。しかし、そのままだとホコリなどの異物も体内に入ってしまうので、鼻の奥にある粘液がゴミを取り込み、少量の鼻水とともに体外へ排出しようとします。これが乾燥してできるのが鼻クソです。

猫は、家の中で床から約30cmの高さで生活しているため、猫はただでなくともホコリを吸いやすい環境で暮らしています。

そのため、猫に鼻クソが多いと感じる場合には、かなり空気環境の悪い場所で生活している可能性が高いです。

ホコリはアレルギーの原因にもなるため、こまめな清掃が求められます。

2.体質によるもの

くしゃみ寸前の猫

猫の中には、鼻クソが溜まりやすい体質もあります。

猫の鼻の中は、鼻粘膜が拡がっていて、その表面は細かい「繊毛(せんもう)」が生えた粘膜で覆われています。繊毛は、鼻に入ったウイルスや異物を流すために分泌液でうるおっているのですが、体質的にこの分泌液の量が多い個体がいます。

分泌液が多い猫は、多少のホコリでも鼻水が出やすくなり、同時に鼻クソもできやすくなります。

また、花粉症など呼吸症状が出るアレルギー体質の場合やエキゾチックショートヘアなど鼻ぺちゃな猫は、涙目や鼻づまりを起こしやすいため、慢性的に鼻の粘液も増えやすくなります。

そのような猫は、同じような環境で暮らしていても、鼻クソがつきやすい状態になります。

3.病気のため

獣医に鼻を拭かれる猫

病気によって、鼻水が出やすい状態でも、鼻クソもつきやすくなります。

なかでも猫風邪による鼻水がある場合は、鼻の周辺で固まりやすいため、常に鼻クソが付いているような状態になるかもしれません。

猫風邪とは、ウイルスによる感染症です。風邪というものの、猫の状態によっては命を落とすほど重症化することがあります。

猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスの感染症は、一度治ってもウイルスが体内に潜伏するため、体力が落ちたときに、ぶり返して鼻水が出ることがあります。

同じように、鼻炎が慢性化すると副鼻腔炎(蓄膿症)になることもあります。

これらが原因の場合、緑や黄色っぽい、または出血が原因の赤っぽい鼻クソになる可能性があります。鼻以外にも症状が出ることがあるため、獣医師の診察を受けるようにしましょう。なかには腫瘍の初期症状の可能性もある場合があるので気になる時は病院に相談しましょう。

猫の鼻クソが気になるときのお手入れ法

鼻を拭かれる猫

猫の鼻クソがついたままだと、ちょっと気になりますよね。特に、鼻の周りが白い猫は特に目立ってしまいます。

猫がリラックスしているときに、優しくふき取ってあげましょう。

完全に乾いていると毛にこびりついて固まっていることもあります。毛がひっぱられると痛いので、ペット用ウエットシートや適温の蒸しタオルなどでやわらかくしてから、ふき取ってあげましょう。

注意点は、鼻の粘膜の部分をこすらないこと。また、ティッシュや綿棒などを鼻腔内部へ入れないこと。見えている部分のふき取りだけでOKです。

また、衛生面や安全面から爪や指先で取ることはしないようにしましょう。

猫の鼻クソは、少量であれば、そのままにしておいても自然に取れますので、顔周りを触られるのを嫌がる子は放っておいても大丈夫です。

まとめ

鼻を触られる猫

健康的な猫の鼻に、たまに鼻クソがつくのは、自然な代謝によるものが多いため、あまり気にする必要はありません。

しかし、あまりに頻繁についている場合には、環境の汚れや病気などの原因が考えられます。また、もともとの体質によっても、つきやすくなります。

気になる鼻クソをお手入れするときには、鼻の粘膜を傷つけないよう、やさしくふき取るようにしましょう。

鼻クソ以外にも、鼻水やくしゃみなどが見られるときには、猫の健康状態も気になります。一度、獣医師に相談してみてください。

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