猫の飼い主がやりがちな『おやつ』にまつわるトラブル4選 正しくあげないと健康被害も

猫の飼い主がやりがちな『おやつ』にまつわるトラブル4選 正しくあげないと健康被害も

猫の「おやつ」は、ごほうびや食欲増進など様々な目的で活用されますが、意外と「与えすぎ」になってしまっているかもしれません。今回は、猫の飼い主がやりがちな「おやつ」のトラブルを4つ解説します。おやつの量や与える頻度を含め、適切な与え方ができているかぜひチェックしてみましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.ねだられるがまま何度も与えてしまう

スプーンからおやつを舐める猫

適切なタイミングを考慮せず愛猫にねだられるがままおやつを与えていると、偏食、食欲不振、食べ残しなど様々な弊害を引き起こします。

猫のおやつは、食いつきが良くなるように味付けがはっきりしているものが多く、日常的に与えていると依存性が高まってしまいます。

また、栄養のバランスが崩れ成長の妨げとなるほか、必要な栄養が不足して病気や障害の原因となることもあるので注意が必要です。

普段の食事に影響が出ないように最大でも1日3回程度に留めておくことと、食後や食間に与えましょう。

お手入れやお留守番などのごほうびや不安・ストレスの緩和のためなど、与える目的やタイミングをルール化して家族間で共有しておくと、与えすぎを防ぐのに効果的です。

2.過剰に与えてしまう

体重計を見つめる猫

おやつの量が多いとカロリー過多で体重が増え、肥満のリスクが高まります。

肥満は様々な病気の元になってしまいますので、おやつは日々の食事量とのバランスを考えて与えるように心がけましょう。

避妊手術の有無や健康状態などにもよりますし先生によって違ってくるとはおもいますが、適正量は『猫が1日に必要とするカロリー(体重(kg)×30+70)』の「10%〜20%」がだいたいの目安と言われています。

体重3kgの成猫であれば、1日の必要摂取カロリーが160kcalなので、おやつは16〜32kcalが目安です。

おやつを多めに与えてしまった場合は、次の食事量で調整するようにしてください。

3.人間の食べ物を与えてしまう

チョコレートケーキを見る猫

人間の食べ物には、猫にとって有害となってしまう食材が多くあります。

例えば、

  • ぶどう、レーズン
  • チョコレート
  • ナッツ類
  • キシリトール

など、猫が口にすると中毒を起こしてしまうものは私達のごく身近にあるのです。

また、中毒にはならない食材だとしても、人間の食べ物の摂取により、塩分やカロリー過多になって肥満や思わぬ病気の原因になることもあります。

飼い主が食べているものが気になって近づいてきたり、においを嗅ごうとしたりすることがありますが、人間の食べ物は与えないようにしてください。誤飲や誤食にも十分注意しましょう。

4.獣医師に相談せず療法食と併用してしまう

ご飯のにおいを嗅ぐ猫

「療法食」は、病気の治療や再発防止をサポートするために、症状や病気の種類によって栄養成分量や比率が調節されている特別なフードです。

フードの切り替え時などにトッピングとしておやつを与えるケースもあるかもしれませんが、自己判断で与えてしまうと、せっかく調節されている栄養バランスが崩れて効果に影響が出る可能性があります。

療法食の効果を正しく得るためにも、おやつを与えることの可否や、与えるにあたって注意すべき点などを、事前に獣医師にきちんと確認しておきましょう。

まとめ

おやつがほしい猫

「おやつ」は、しつけや食欲増進のサポートなど色々と活用することができます。しかし、与える量と頻度には十分気をつける必要があります。

おやつの与えすぎは、カロリーや塩分過多、栄養バランスの乱れから健康状態に悪影響を及ぼすリスクが高まります。また、偏食や食欲不振を引き起こすこともあるので、食事量とのバランスを見ながら少量ずつ与えましょう。

さらに、人間の食べ物は中毒症状が出るものも多いので、猫には絶対に与えないようにすべきですし、誤飲や誤食にも注意してください。

療法食を処方されている場合は、効果の妨げにならないよう、あらかじめ獣医師におやつを与えてもよいか相談しましょう。

愛猫の健康を守るためにも、今回解説したトラブルに注意しながら上手におやつを活用していってくださいね。

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