学生たちに人気の猫Willow
ここは米国にあるLawrence大学のWarchキャンパス。
火曜日の夕方、1日の講義を終えて建物の3階にたどり着いた学生は、きっと「灰色の毛のかたまりのような猫」に会えるはずです。その猫は学生たちの膝にのって、愛想よく甘えています。実は、学生たちの心を癒す「セラピー猫」として勤務中なのです。
猫の名は「Willow」。隔週火曜日の午後5時から6時まで、猫とふれあいたい学生のために、この場所に待機しています。自宅のペットが懐かしくなったときや、この猫と一緒に時間を過ごしたい人が随時集まってくるのです。
Willowには人を惹きつける魅力があって、学生たちに大人気です。
冷静な性格がセラピーに最適
Willowをトレーニングしているのは飼い主のAlvina Tanさんです。彼女は2017年9月に動物保護施設からこの猫を引き取りました。
出会ったときから冷静な性格で、保護施設から帰る車の中でもまったく鳴かなかったといいます。そんな動じない性格は、セラピー活動をするのに最適です。
「わたしはとくに動物好きではありません。むしろ以前は猫が少し怖かったほどです。当時は猫についてよく理解していなかったのです」というAlvinaさん。
「Willowは、猫のことが好きか嫌いか迷っている人にとっても完璧な存在です。ただ近づいて一緒に過ごし、少しだけ親しくなるのには最適だからですね。猫に対する恐怖心を克服するのにも役立つでしょうね」
Alvinaさんが指示を出すと、Willowは「お座り」をしたり足を振ったりします。名前を呼ばれると、ちゃんとわかります。
これからも一緒に活動を
AlvinaさんがWillowの「セラピー猫」としての才能に気づいたのは、以前、元野良猫のLatteという子猫を獣医に連れていったあと、怖がってしまって自宅のベッドの下から出てこなくなったときです。
Willowはこの子猫に近づいてやさしく慰め、落ち着かせてくれたのです。
さっそくAlvinaさんはセラピー動物に関する調査・研究を始めました。Willowはすべての基準にあてはまっていたため、セラピー猫として登録申請することにしたのです。
「2018年の12月、正式にセラピー猫として登録されました」
以来WillowとAlvinaさんは一緒に活動をしてきました。
「Willowがいることで、自分では踏み込めなかった新しいことにもチャレンジするようになりました。この猫が橋渡しをしてくれるのです」と彼女は目を細めています。
これからも、2人3脚(5脚?)で学生さんたちのために活躍してくださいね。