1.弱った自分の身を守るため
『猫は自分の死をちゃんと認識していない』と言われています。
そのため、死期を悟っていなくなるのではなく、体調不良などより体が弱っている状態で敵に見つからないよう身を隠すのです。
弱った状態では外的に狙われやすく、いざという時すぐに逃げることもできません。猫には、身の危険から避けるための防衛本能が備わっているため、身を隠して体をちゃんと回復させようとします。
隠れた先で体調が悪化するとそのまま亡くなってしまうため、人間からすると「帰ってこない」「突然いなくなった」という認識になるのです。
特に、襲われる可能性が高い野良猫や、外で暮らしてきた経験のある猫に身を隠す行動が見られるでしょう。
2.低体温になるから
猫は亡くなる前には血液の循環が悪くなり体温が下がります。
低体温の状態になると火照ったような暑さを感じることから、冷たい場所を求めるようになるのです。
外で暮らす猫であれば道路の側溝や空き家など、室内飼いの猫の場合は押入れの奥やベッドの下など、暗くて寒い(涼しい)場所に身を隠してじっとしています。
自分の身に起こっている不快感や苦しみから、猫なりに何とかして逃れようと取る行動なのかもしれません。
3.安全な場所にいたいから
子猫時代から室内飼いをしている猫は、精神的に子供っぽさが抜けないまま成猫になると言われています。
外の世界を知らないのもあり、猫にとっての安全な場所が家の中の自分が気に入ったところになるのです。
部屋の隅の方や押入れの中、部屋の中の高いところなど、干渉されにくいところを選んで身を隠すことがあります。
猫によっては亡くなる前に甘えん坊になり、飼い主のそばから離れない子も。そんな時は愛猫のそばにいて優しく撫でたり声がけをして安心感を与えましょう。
気に入っている毛布や好きなおもちゃなどを置いてあげても喜ぶかもしれませんね。
死期が近い愛猫にできること
愛猫の死期が近いとどうしても不安になりますよね。しかし、飼い主が不安がっていたりいつもと違う行動を取っていると猫にもなんとなく様子が違うと伝わってしまいます。
猫は自分の死は認識できなくても、飼い主の態度や声音などから悲しそうな雰囲気は感じ取れてしまうのです。
大切な家族の死は受け入れがたく、なかなか難しいかもしれませんが、できるだけ普段通り接することを心がけましょう。
身を隠しているからと気を遣ってそっとするよりも、安心できる環境を整えて「いつも通り」の日常を送ることが、後悔やペットロスを和らげ飼い主の心を守ることにもつながります。
死期の近い猫は普段より甘えん坊になることもあるため、甘えてきた時には存分に抱っこしたり撫でたりしてあげると、猫が少しでも生きる力を強めてくれるかもしれません。
まとめ
猫は死期が近くなると身を隠しますが、自身の死を認識しているわけではなく、自分の身を回復させようとするため本能から取る行動です。
弱った状態で外敵に襲われないようにしたり、自分が感じている痛みや苦しみから逃れるために安全な場所を探し、そのまま回復せず亡くなってしまうことで「いなくなった」状態になるのでしょう。
室内飼いの猫の場合は家の中で安心できる場所を見つけてじっとする傾向があるほか、猫によっては大好きな飼い主のそばにいようとすることもあります。
愛猫の死期が近いと分かると辛くなりますが、猫が最期まで幸せと安心感に包まれながら生活していくためにも、可能な限りいつも通りの日々を送るようにしましょう。