猫が急にしなくなったら気をつけるべき、5つの行動と原因 場合によっては病気を疑った方がいいかも

猫が急にしなくなったら気をつけるべき、5つの行動と原因 場合によっては病気を疑った方がいいかも

愛猫の異変に気づき、いち早く対応することは、飼い主さんの重要な役割です。今回は、普段からよくやる5つの行動を急にしなくなった原因について解説します。愛猫の様子を思い浮かべながら、ぜひチェックしてみてください。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.毛づくろいしない

毛づくろい

猫の代表的な行動と言えば、まずは「毛づくろい」です。かわいらしさとは別に、身体を清潔に保ち、毛並みを整え、体温を調節するなどの立派な役割があります。起きている間の約3割の時間を費やす、いわば、ルーティンワークのようなものです。

おなじみの行動ですが、だんだん回数が減り、やがてほとんどしなくなったら、肥満や老化現象(身体の小回りが利かない、体力が続かない)、関節炎などの可能性があります。

ちなみに、過剰な「毛づくろい」は、深刻なストレスを抱えている証拠です。脱毛症や皮膚炎、毛球症が悪化する前に病院で診てもらいましょう。

2.爪研ぎしない

爪研ぎ

「爪研ぎ」もまた、ポピュラーな行動のひとつです。狩りや移動時のツールとしてのケア、マーキング、寝起きの気分転換、ストレス解消などの目的があります。

猫によってその頻度もさまざまです。縄張り意識の強い子は頻繁にやりがちで、逆に、控えめな性格の子はあまりやらない場合もあります。一般的な傾向として、シニア猫になるにつれて、回数が減っていくのもポイントです。

たとえば、普段から積極的に「爪研ぎ」する子が急にやらなくなったら、関節炎などの足元のトラブル、体調悪化のサインかもしれません。長い間、爪を研がずにいると、巻爪になり、肉球を傷つけてしまうこともあります。早めに異変に気づいてあげることが大切です。

3.高いところに登らない

キャットタワーと猫

「高いところに登る」も野生時代からの習性です。自分の身を守りながら、外敵の侵入を素早く察知し、なおかつ、他の猫への優位性を示すには、高いところがベスト。猫はそのことをよく知っています。

高齢になると、筋肉量が落ち、垂直運動もだんだん減っていきます。ごく当たり前のことで、それほど心配はいりません。

ただし、変化の裏に変形性関節症が隠されていると、注意が必要です。変形性関節症とは、関節内部のクッション(軟骨)がすり減って変形してしまうこと。毛づくろいやジャンプ時など、動くたびに痛くなるのが特徴です。シニア猫に多い病気ですが、若い猫でも発症例があります。

変形性関節症には、加齢や肥満による一次性変形性関節症と、スコティッシュフォールドの「骨軟骨異形成症」のように、遺伝要素が原因の二次性変形性関節症の2種類があります。

愛猫の変化をスルーしないように、日頃から歩き方に注目しておきましょう。

4.トイレの砂をかけない

猫とトイレ

「トイレの砂をかける」しぐさは、ユーモラスでかわいらしいものです。本来の目的は、うんちやおしっこの匂いを消し、外敵に自分の存在を悟られないようにするため。猫は、補食者であると同時に、被食者の側面もあります。

トイレに砂をかけなくなると、飼い主さんは「どうして?」と心配になるかもしれません。そんなときは、清潔度をはじめ、トイレ回りの環境が万全かどうか、改めて確認してみましょう。猫砂を変えただけで、砂をかけないこともあります。猫は些細な変化でも見逃しません。

多頭飼いでは、自分の強さを他の猫に誇示するために、砂をかけずにうんちを放置するケースもあります。

5.鳴かない

鳴く猫

本来、野生の猫はめったに鳴きません。単独行動するので、オオカミや鳥のように、音声を通じて仲間とやりとりしなくても済むからです。また、声を出すことで自分の居場所がわかってしまうと、外敵に狙い撃ちされるリスクもあります。

当たり前に「鳴く」ようになったのは、イエネコとして人間に飼われるようになってから。鳴いたほうが飼い主に自分の要求が伝わりやすい、と学んだからかもしれません。

今まで普通に鳴いていたのに、急に鳴かなくなった場合、猫風邪をはじめ、咽頭炎などの病気の疑いがあります。

ただし、成長に従い、だんだん鳴かなくなるのも珍しいことではありません。変化を冷静に見極めたうえで、病院へ行くかどうか判断してみてください。

まとめ

見つめ合う猫と女性

今回、挙げた「急にやらなくなった」5つの中で、みなさんの愛猫に当てはまったものはあったでしょうか?

変化の背景に、肥満や老化現象、病気などの要因が潜んでいる可能性もあります。特に紹介した病気に該当する場合、早めの対応が肝心です。ためらうことなく動物病院に相談してみてください。

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