なでてもらうのが大好き
この10年間、ニュージーランド北島のあるUpper Hutt市のスーパーマーケットには、「常連の猫さん」がいます。
猫の名はAngus。ハンサムなオスの茶白猫で、17歳になります。お気に入りは、人間になでてもらうこと。とくにやさしくておだやかな子供なら、大歓迎だそうです。
飼い主のKaren Piperさんは、SNSにこの猫のページ「Angus the Countdown Cat」を作って情報を発信しています。これが地元の人々に人気になっていて、多くの人がAngusとの楽しい交流についての投稿を続けています。
SNS上に専用ページも
17歳という高齢のため、この猫にはさまざまな健康上の問題があります。しかし、買い物客の中には、「餌をあげないで」という張り紙を無視して、食べ物を与えてしまう人がいます。
無理やり獣医に連れていってしまうお客さんまでいたそうです。スーパーマーケットでは、餌を与えようとするお客さんに、スタッフが声をかけて注意をするようにしています。
Karenさんは、Angusが飼い猫として愛されていることを広く知ってもらうためにも、投稿を続けています。
Shelley BeaさんはSNS上で「Angusは体が弱ってきているので、地域住民が共同で出費して自宅にキャティオ(猫用の囲われた空間)を作ってあげてはどうか」と提案してくれました。
しかしKarenさんは「Angusは病気がちだけれど、人々が余計な餌を与えなければ大丈夫。自由が大好きなこの猫を、自宅に閉じ込めることはできません」と応じています。
「閉じ込められて好きなことができなくなったら、ひどく惨めだろうと思います。残された時間を有意義に生きて、幸せな気分でいてほしいのです」と彼女。
「Augusファン」の中には、前市議のAngela McLeodさんもいます。彼女は「この猫は市長より有名よ」と話しています。
「Angusのために、地域が団結できることがすばらしいですね」
募金活動の手伝いも
あちこち歩き回るのが好きなAngusですが、必ず自宅に戻ってきます。
毎日の日課は、製パン部門のスタッフに会うために午前3時に起きて、朝食を食べに家へ戻り、その後午前6時に到着する店員を迎えるために、またスーパーへでかけます。自宅で長い昼寝をしたあとは、またまたスーパーへ。このときは駐車している車の下や入り口付近の屋根のある場所にたたずみます。
スタッフはみんなよく世話をしてくれます。現在、餌を与えないように人々に注意を促す新しい看板も制作中だそうです。この猫がネグレクトされているわけではないことを、買い物客にも周知しようと努めてくれています。
Augusはスーパーの駐車場で募金活動を手伝うのも大好きです。猫の人気のせいで寄付金もよく集まることでしょう。このスーパーマーケットの売り上げ増にも貢献しているに違いありません。
もしUpper Huttを訪ねることがあれば、あなたもぜひAngusに会ってくださいね!