猫は言葉で傷つくことがある?
猫は人の言葉をすべて理解しているわけではありませんが、人の声のトーンや表情から言葉のニュアンスを読み取ることはできるようです。また何度か同じ言葉を聞いているうちに、簡単な単語を覚えるだけの知能も持っています。
つまり「どうせ猫に人の言葉はわからないから」と、愛猫の気持ちを考えずに思いやりを欠いた発言をしていると、愛猫を傷つけてしまうということです。
猫は自由気ままに見えて、実はとても繊細な一面があります。飼い主さんの何気ない一言がストレスになったり、信頼関係を壊すきっかけになったりする場合もあるので注意が必要です。
愛猫に絶対言ってはいけない「人の言葉」
では、具体的にはどのような言葉を愛猫に言ってはいけないのでしょうか。
ここからは、愛猫に絶対言ってはいけない「人の言葉」について解説します。ご自身の普段の声掛けについて、ぜひこの機会に見直してみてください。
1.「嫌い」「悪い子」など否定的な言葉
愛猫がイタズラを繰り返してばかりだったり、なかなか言うことを聞いてくれなかったりすると、飼い主さんもイライラしてしまいますよね。つい「もう嫌い!」「本当に悪い子なんだから」などと、愛猫を否定するような言葉を言ってしまうこともあるかもしれません。
もちろん飼い主さんは、愛猫を本気で嫌いになってしまったわけではないのですが、猫にはそんなことはわかりません。(飼い主さんに嫌われてしまった)(自分は悪い子なんだ…)と本気で傷ついてしまいます。
猫が悪さをしたらしつけの一環として叱ることは大切ですが、行動ではなく猫本人を否定するような叱り方をしてはいけません。感情的になって、愛猫にネガティブな言葉をぶつけてしまわないように気をつけてくださいね。
2.猫の行動や容姿をバカにする言葉
愛猫がジャンプを失敗して転んだときに「どんくさいな~」と笑ったり、体に触れながら「太ってるよね~」と言ったりするのもNGです。猫にもプライドがあるので、行動や容姿をバカにされるとショックを受けてしまいます。
猫に対する尊敬の気持ちを忘れずに接することを心がけ、失礼な発言は慎みましょう。もしも愛猫のドジな姿を見て思わず笑ってしまったときには、「笑っちゃってごめんね。気にしなくて大丈夫だよ!」と軽くフォローしてあげてくださいね。
3.他の猫と比較する言葉
多頭飼育をしている場合に気をつけたいのが、「あの子のほうが可愛い」「他の子はできるのにどうしてあなたはできないの?」など他の猫と比較する言葉です。誰かと比べることで自分を否定されると、猫だって悲しい気持ちになります。
猫にもそれぞれ個性があるので、個性をポジティブに受け止めて平等に愛することが大切です。また比較するような言葉を口にしないように気をつけていても、行動でひいきをしてしまっていては意味がないので注意してください。もちろん、よそのお家の猫や他の動物と比較するのもNGですよ。
4.「捨てるよ」などの脅し文句
どれほど愛猫が悪さをしても「言うことを聞かないと捨てちゃうよ!」「今度イタズラしたら叩くからね!」などの脅し文句は絶対に言ってはいけません。脅し文句を言うときは自然と声が大きくなって表情も険しくなるため、本気で言っているわけでなくても猫に強い恐怖を与えてしまいます。
特に「捨てる」という言葉は、冗談でも口にしないようにしましょう。飼い主さんに捨てられるということは、猫にとって安心して過ごせるお家も生きていく術も失うということです。かなりの不安を感じさせてしまう脅し文句なので、愛猫は飼い主さんを信頼できなくなってしまうかもしれません。
まとめ
飼い主さんの言葉が愛猫を傷つけてしまう可能性があるうえに、一度口にした言葉はなかったことにはできません。相手が動物だとつい気を抜いてしまいがちですが、日頃から愛猫への言葉には気をつけたいところです。
猫を言葉で傷つけると信頼関係は壊れてしまいますが、逆に言葉で喜ばせることでより良い関係を築くことも可能です。飼い主さんはできるだけ、愛猫に対して優しくてポジティブな言葉をかけてあげてくださいね。