猫が「鍵しっぽ」になる2つの理由
途中で折れ曲がったしっぽや、先端が丸まったしっぽは「鍵しっぽ」と呼ばれています。
なぜ、このような個性的な形状になるのでしょうか?
そこで今回は、猫が「鍵しっぽ」になる理由を解説いたします。
1.遺伝子の変異(先天的なもの)
猫が鍵しっぽになる背景には、ある「遺伝子の変異」が関与している、といわれています。
それが、マンクスが持つ『T-Box』と、ジャパニーズボブテイルなどが持つ『HES7』、その2つに属さない『第3の遺伝子』です。これらの遺伝子を持って誕生した猫は鍵しっぽとなります。
そもそも鍵しっぽは、尾椎(しっぽの骨)の一部が減少していたり、くっ付いていることで起こります。
見た目は痛々しいかもしれませんが、先天的なものであれば痛みがありません。家猫として生きるぶんには大きな支障もなく、一般的な猫と同じと捉えてあげましょう。
2.怪我や事故によるもの
先ほど紹介した遺伝子を持たない猫が鍵しっぽになる理由は、怪我や事故によるしっぽの変形が原因です。
例えば、母猫が子猫のしっぽを踏んでしまうケース。この場合は子猫の尾椎が柔らかく、たとえ曲がってしまったとしても大きな影響が出ないことがほとんどです。
同じく子猫時代にドアに挟まってしまったなどの場合も、後々支障がないことが多いでしょう。
一方で、成猫が事故や怪我によって鍵しっぽになってしまった場合は注意が必要です。尾椎に沿って生えている神経が傷ついている恐れがあります。
しっぽの怪我に気をつけることはもちろんのこと、万が一アクシデントが起きてしまった場合は、動物病院で診察を受けるようにしてください。
「鍵しっぽ」は幸せの印!?
猫好きさんの間では、鍵しっぽの猫は幸運の象徴として親しまれています。しかしそれは、なぜなのでしょうか。
日本では、錠前のような形状が『財産を守ってくれるもの』と例えられ、商売繁盛のお守りとして大切にされています。
ヨーロッパでは、鍵しっぽが『幸運を引っ掛けてくれる』とし、縁起が良いといわれています。さらにその希少性から、「出会えたらラッキー」だと思われることが多いようです。
まとめ
猫が「鍵しっぽ」になる理由には、先天的な要因(遺伝子の変異)と、怪我や事故による後天的な要因によるものがありました。
前者は生まれつきのものなので、特に問題なく過ごすことができます。ただし、しっぽが持つ役割にはバランスを保つことや、着地の精度を上げるなどの働きがあることから、野生では生き延びることが困難になるかもしれません。
後者は神経のダメージが懸念されます。しっぽを怪我してしまった際は、必ず診察を受けてください。
最後に、「鍵しっぽ」の猫の遭遇率が高い地域を紹介いたします。圧倒的に多いのは長崎県です。
長崎に住む猫のルーツはオランダで、『HES7遺伝子』を持つ猫が多いのです。街中で出会う猫のほとんどが鍵しっぽだといわれています。彼らは地域の人々に見守られ、大切に育てられています。