2週間で31万円の収入に
中国の大都市では、「春節」の時期に旅行に行く人々の間で、ペットを世話するビジネスが大人気です。
北京市に住むYouさんは、2024年2月4日から17日までの間に、飼い主が旅行中のペットを150回以上訪問して世話をすることで、収入が1万5千元(約31万円)にのぼったといいます。彼女が世話したのは、猫68匹、犬2頭、チンチラとドジョウが各2匹のほか、カメや小魚などでした。
Youさんは、一番忙しい日には「午前6時に家を出て、翌日の午前1時近くまで自宅に戻れなかった」といいます。
「今年の旧正月はとても忙しくて、お客さんの犬を散歩させるため、自分では大晦日のご馳走も食べられなかったですね」
高い「休暇シーズン」のペットシッター需要
杭州市でも、休暇シーズン中の「訪問ペットシッター」の需要は高かったようです。
Chenさんは、愛猫を自宅に残して旅行をするため、早くから準備をしていました。「猫は繊細で臆病なので、慣れた環境にいるのが一番。うちの猫も、だれかに自宅に来てもらって世話をしてもらうのが最善です」と彼女はいいます。
ペットショップが運営するペット専用ホテルへ預けることも検討したそうですが、費用は1日100元から200元なので、旧正月の期間に預けると合計千元(約2万千円)以上かかります。これに比べて、ペットシッターは「安い上に、猫も落ち着ける」といいます。
トラブルになるケースも
しかし、問題がないわけではありません。ウェブの投稿では、トラブルになったケースも見受けられました。
「猫に1度しか餌を与えず、そのあとはこちらのメッセージにも応答しないし、電話しても無視された上、鍵も返してくれませんでした」という苦い経験をした人や、なかには「シッターがウィルスを持ち込んだせいで、飼い猫が猫ジステンパーに感染した可能性がある」という人もいます。
一方、北京市で訪問ペットシッターを務めるYouさんは「世話をするために訪ねた家で、ペットにひっかかれてケガをした」といいます。彼女によると、こうした悶着を避けるため、最近は監視カメラを備えた住宅も多くなっているとか。
信頼できるペットシッターを
Youさんの顧客であるZhangさんは「シッターの信頼度を表示するウェブ上のページがあるし、シッターが登録料を払って認定を受けるしくみもあるので、安心して任せています」といいます。
江蘇省消費者評議会の弁護士であるXia Leiさんは、ペットの世話をするシッターは「専門的な技術を持ち、ペットの基本的な習慣を理解している必要がある」と考えています。しかもペットが予想外の行動をとったとき、とっさに判断して対応する能力も要求されます。
Xiaさんは「評判の良いシッターを選び、きちんと書面で契約して、双方の責任を明確にする」ようアドバイスしています。
一方で、ペットケアの業界で今後も働こうという人には、「紛争にならないよう技能を磨くとともに、賠償責任保険や傷害保険などに加入する必要がありますね」と話しています。
出典:In-home pet care thrives during Chinese New Year as people return to their hometowns