肝リピドーシスとはどんな病気?
肝リピドーシスは「脂肪肝」とも呼ばれ、肝臓に脂肪が過剰に溜まってしまうことで肝機能障害が起こります。猫の肝臓疾患で多く見られる病気です。
特に肥満の猫がかかりやすく、たった数日ご飯を食べられなくなっただけで症状が起きてしまうという恐ろしさがあります。絶食させたり極端にご飯の量を減らしたりするような過度なダイエットは危険が伴うので注意しましょう。
一度肝リピドーシスを発症してしまうと、必要な栄養を含む餌を1ヵ月ほど強制的に給餌し続けるという飼い主にとっても愛猫にとっても負担の大きい治療が必要です。
治療をしないまま放置すると肝不全の状態になり、致死率がぐんと高まってしまいます。
肝リピドーシスの原因
通常、食べ物から摂取した糖分が細胞の活動源となりますが、食欲不振から栄養が摂れない状態に陥ると体の中の脂肪を溶かして糖分を吸収しようとします。
すると、一気に肝臓内に脂肪が溜まって処理が追いつかなくなり、大量の脂肪が溜まった状態になることで肝臓の機能が低下してしまうのです。
肝リピドーシス発症の引き金である食欲不振の原因には、感染症や腎不全、糖尿病といった病気やストレスなどが挙げられます。
検査では食欲不振の原因も探り、病気が潜んでいる場合はあわせて治療をしていきます。
肝リピドーシスの症状
肝リピドーシスを発症した猫に見られるのは、
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- よだれを垂らす
- 体重が減る
- 脱水症状
- 嘔吐
- 黄疸(皮膚や口の粘膜など)
といった症状です。
また、肝リピドーシスの原因が別の病気である場合は元の病気の症状も一緒にあらわれます。
飼い主が気づきやすい点としては、数日〜数週間ほど食欲不振になることや元気がなくなり行動が減ることです。肥満の猫で食欲不振が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
予防をするためには
肝リピドーシスの予防のために大切なのは、愛猫の食事状況を日頃からしっかりチェックすることです。
放置してしまうと命に関わる危険が生じますが、早期発見・早期治療を行うことで完治できる病気でもあります。そのため、1日でも食欲不振が見られたらすぐに病院に連れて行くようにしてください。
また、食欲不振の原因となる感染症・他疾患の予防や、ストレスを溜めさせないように務めることも重要なポイントです。
まとめ
猫の肝リピドーシスは脂肪肝とも呼ばれる病気で、特に肥満の猫が食欲不振により数日ご飯を食べられなくなることで発症します。
栄養不良から急激にたくさんの脂肪が肝臓に溜まることで肝機能が低下。食欲不振、元気がない、体重が減る、黄疸、嘔吐といった症状が見られ、進行すると肝不全から死に至る確率が高まるという恐ろしい病気です。
治療には長期間を要する上、強制的に給餌しなくてはならないなど負担も大きくなります。
予防のためにはストレスを溜めないようにし、愛猫の食事状況や健康状態を観察しながら、食欲不振や元気がないなどの異変を見つけたらすぐに動物病院を受診してください。