猫の『寿命』を決定する4つの要素 被毛のタイプや猫種によっても左右される?

猫の『寿命』を決定する4つの要素 被毛のタイプや猫種によっても左右される?

愛猫とのお別れはとてもつらいため、長生きする可能性が高い猫を家族に迎えたいと思う方も少なくないでしょう。猫の寿命を決定する要素をご紹介しますので、猫をお迎えする時や飼育環境を整える時の参考にしていただけると幸いです。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.猫種

日本猫

猫の平均寿命は猫種によって多少の差があり、基本的には純血種よりも混血種の方が長生きしやすいといわれています。日本猫も現在は純血種がほとんど存在せず、洋猫の血が混じっている混血種なので寿命が長い猫種です。しかし、その根拠はなくあくまでも一説です。

純血種が混血種よりも寿命が短い傾向があるのは、父猫も母猫も同じ猫種のため特定の遺伝子疾患を受け継ぎやすいからなのだとか。

混血種に丈夫で長生きする子が多いのは、さまざまな猫種の遺伝子を受け継いでいるおかげで遺伝子疾患のリスクが低いからという説があります。

とはいえ純血種でも体が丈夫な子はいますし、混血種よりも長生きする子も少なくありません。寿命には個体差があることを理解したうえで、飼い主さんがしっかり健康管理をすることが大切です。

2.被毛のタイプ

長毛猫と短毛猫

猫は短毛種と長毛種に分けられますが、長毛種と比べて短毛種の方が長生きしやすい傾向があるといわれています。なぜなら長毛種はグルーミング中に大量の毛を飲み込んでしまうため、毛球症を発症しやすいからです。

通常、飲み込んだ毛は便と一緒に排出されたり、猫が吐き戻して排出したりするのですが、長毛種はスムーズに排出できないほど大量の毛を飲み込んでしまうことも。

毛球が大きくなって腸閉塞を引き起こしたり、さらに重症化して命に関わることもあります。

長毛種を飼う場合は、ブラッシングや食事による毛球症予防を徹底しましょう。もちろん短毛種も毛球症のリスクはゼロではないので、換毛期は要注意ですよ。

3.性別

猫2匹

猫の平均寿命をオスとメスで比較すると、メスの方が寿命が長い傾向があるという説があるようです。オスがメスよりも寿命が短い理由としては、縄張り争いで他のオスとケンカになり怪我をするリスクが高いことや、尿路疾患のリスクが高いことが挙げられます。

しかし海外の調査ではオスとメスで寿命に差はないという結果が出ているため、猫の性別と寿命の関係は現段階でははっきりわかっていません。

またオスは精巣の病気、メスは子宮の病気というように性別ごとに特有の病気がありますが、これらは避妊・去勢手術をすることで予防できます。オスかメスかよりも避妊・去勢手術をするか否かの方が、猫の寿命を左右するようですね。

4.完全室内飼育をしているかどうか

窓の外を見る子猫

家の外に出ることがある猫よりも、完全室内飼育の猫の方が平均寿命は2~3年長いといわれています。かつては家の中と外を自由に行き来している猫が多くいました。

しかし外に出ると交通事故にあってしまったり、他の猫と接触して感染症をうつされてしまったりするリスクがあります。

外の世界は猫にとって危険なので、「1日中お家の中にいるなんてかわいそう…」などと思わずに、完全室内飼育を徹底してくださいね。

まとめ

多種多様な猫たち

猫の寿命を決める4つの要素をご紹介しました。しかしこれらの要素の他にも、日頃の食生活や運動習慣、飼い主さんのお世話の仕方や接し方などが猫の寿命に大きく影響します。

たとえ長生きできる要素を多く持った猫でも、食べ過ぎて肥満になったりストレスの多い生活を送ったりしていると、寿命は短くなってしまうでしょう。飼い主さんは愛猫の健康を守るために、できる限りのことをしてあげてくださいね。

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