猫が病気や怪我を隠す傾向があるのはなぜ?
野生の動物は病気や怪我で弱っていることを敵に知られると、今がチャンスとばかりに襲われてしまうため危険です。現代の猫にも野生の本能が残っているため、弱っていることを隠すために痛みやつらさを我慢する傾向があります。
病気や怪我は早期発見して適切な治療を受けることが大切ですが、猫が不調を隠してしまうために飼い主さんが異常に気づくのが遅れることも少なくありません。日頃から愛猫の仕草や行動をよく観察して、痛みやつらさを我慢しているサインを見逃さないようにしましょう。
猫が痛みやつらさを我慢しているときのサイン
1.暗いところや狭いところに隠れる
弱っている猫は、暗いところや狭いところなど少しでも安心して過ごせる場所に隠れて、痛みやつらさに耐えながら回復を待つ場合があります。
いつも元気よく遊んでいる時間帯にもどこかに身を潜めてじっとしていたり、食事の時間になっても姿を見せなかったりする場合は、病気や怪我を疑ったほうがよいでしょう。
2.動かず寝てばかりいる
猫はもともとよく寝る動物ですが、いつも起きて活動している時間にも動かず寝てばかりいる場合は、痛みやつらさに耐えているサインです。愛猫が寝てばかりで心配になったときは、どのような体勢で寝ているかに注目してみましょう。
お腹を見せたり手足を伸ばしたりしているのなら、リラックスして寝ているということです。単にお疲れ気味で眠たいだけという可能性が高いので、それほど心配はいりません。
しかしお腹を隠すように丸まったりうずくまったりして寝ているときは、病気や怪我をしているかもしれないと考えてしっかり様子を観察してください。
3.触ろうとすると怒る
飼い主さんが触ろうと手を伸ばしたときに、猫が「シャーッ」と威嚇したり引っ掻いたりしてくる場合やあからさまに逃げる場合は、どこか痛むところあって触られたくないのかもしれません。
猫はマイペースなので、単に気分が乗らないという理由で「今は放っておいて!」とスキンシップを拒むこともありますが、いつもは喜んでスキンシップを受け入れてくれる猫が怒ったり逃げたりする場合には要注意です。
4.ごはんを食べない
食欲の有無は、猫の体調を知るための大きなヒントになります。愛猫がごはんを全く食べてくれないときや普段よりも食いつきが悪いときには、病気や怪我の可能性が高いでしょう。
猫がごはんを食べないときは、内臓系の病気が原因で食欲が低下している場合もあれば、歯槽膿漏などのお口のトラブルが原因で痛みを感じている場合もあります。上手に食事ができずにフードをこぼしてしまうのも、口の中が痛いというサインです。
食欲がない状態が2日続く場合や、明らかに体調に異常があるようなら、早めに動物病院で診察を受けてください。
まとめ
猫は病気や怪我を隠すのが上手なので、毎日一緒に過ごしている飼い主さんでも症状が悪化するまで不調に気づけない場合が少なくありません。
愛猫が痛みやつらさを我慢しているときにできるだけ早く気づいてあげられるように、普段から愛猫のことをよく観察して過ごして、些細な変化を見逃さないことが重要です。
愛猫の仕草や行動を見ていて少しでも「いつもと様子が違うかも?」と思ったときには、放置せずに早めに獣医師に相談してくださいね。