猫に「ニボシ」をあげてもいい?与える場合の気をつけたいポイント

猫に「ニボシ」をあげてもいい?与える場合の気をつけたいポイント

猫は魚好きというイメージを持っている人は多いと思います。実際に魚が大好きな猫もいますし、ニボシを与えたら喜んで食べたという話も聞きます。一方でニボシは塩分が多くミネラルが豊富だと言われています。猫にニボシを与えるのは問題ないのでしょうか?ニボシのリスクや与える際の注意点について紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にニボシを与えてもいいの?

ざるに盛ったニボシ

猫にニボシを食べさせたとしても、急性の中毒を起こしたり、命を落としたりといったリスクは考えにくいでしょう。しかし猫の健康を考えれば、積極的に与えることはおすすめしません。

ニボシは私たち日本人にとって身近な食材のひとつです。カタクチイワシ、マイワシ、アジなどの小魚を塩水でゆでて乾燥させた食材で、おもに料理の出汁をとる目的で使用されます。

ニボシは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれた食材です。人間に比べてからだが小さな猫にとってはミネラルの摂取量が過剰になるおそれがあります。

また人間用のニボシは、塩水でゆでるため塩分含有量が高くなりがちです。ほんの少しのつもりでも猫にとっては塩分の取りすぎになってしまう可能性があるでしょう。

つまり猫にとってニボシは、食べても害のない食材である一方、なるべくなら避けたほうがいい食材でもあると言えます。

ニボシの与えすぎは病気の原因になるかも

ニボシのにおいを嗅ぐ猫

ニボシをたくさん与えると尿路結石や黄色脂肪症(イエローファット)などの原因になってしまうことがあります。

上記のとおり、ニボシにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。どちらも体を維持するためには欠かせない栄養素です。

しかし過剰に摂取すればミネラルバランスが崩れてしまい、尿路結石症の原因になるとされています。さらに結石が原因となって膀胱炎を引き起こす場合もあります。

またニボシの原材料となる青魚には、DHA・EPAも豊富に含まれているため、黄色脂肪症にも注意が必要でしょう。不飽和脂肪酸は少量ならば、コレステロールを下げて血液をさらさらにする働きがあります。その一方で、過剰に摂取すると皮下脂肪が酸化させ、炎症を生じさせます。

そのためニボシは与えすぎにならないように注意しましょう。

猫にニボシの与える際の注意点

大きな魚と猫

猫にとって人間用のニボシは、塩分の過剰摂取になりがちです。猫にニボシを与える際は、ペット用の減塩もしくは、無塩のものを食べさせるようにしてください。

ただし高齢の猫や泌尿器系の疾患がある猫は避けたほうが安心でしょう。健康な猫であっても少量に留めるべきです。シャンプーや動物病院の受診など、猫にとって嫌なことがあったときに与える特別なおやつとして使うことをおすすめします。

猫にニボシを与える際は、フードのトッピングやおやつ程度とします。与える量は、体重1kgあたり2g程度までです。大きめのニボシであれば2尾が目安になります。また1日の摂取カロリーの10%程度までに留めるようにしましょう。

まとめ

魚のおもちゃを持った猫

ニボシは塩分やミネラルが豊富に含まれている食材です。絶対に与えてはいけない危険な食材というわけではありませんが、猫の健康を考えれば積極的に与えるのは避けるべきでしょう。

猫の食事は、総合栄養食のキャットフードを与えていれば必要な栄養素を摂取できます。むしろトッピングやおやつを与えることで、バランスを崩してしまう可能性があります。

そのためニボシをあげる場合は、必ずペット用のものを選び、フードのトッピングまたはおやつとし、与えすぎには十分に注意しましょう。

スポンサーリンク