1.目を細めて喉を鳴らす
猫が喉をゴロゴロと鳴らすときは、気持ちがいい、甘えたい、そして安心しているときです。
飼い主さんが撫でると喉を鳴らすことが多いかもしれませんが、実は本当に気持ちがいいときには、ひとりでコッソリとゴロゴロ喉を鳴らしていることもあるのです。
さらに目を細めていれば、お腹も満たされ、温度も快適で「天下泰平」の気分です。何の心配もなく、安心しきってのんびりしている証拠です。完璧ですね。
ただし、猫は非情に具合が悪いときにも低い音で喉をゴロゴロ鳴らすことがあります。日頃の食欲や活動量が極端に落ちているときは、体調の変化に注意しましょう。
2.お尻を向けてうしろ向きで食事をする
人に対してお尻を向けてうしろ向きに食事するのは、すっかり環境に安心していることを示します。
動物は食事をするときには、背後が無防備になるため、いつも異常に警戒心が増すものです。たとえば、多頭飼いの家庭でいたずらっ子の猫がいるような場合は、食事中はほかの猫にも警戒心を抱き、お尻を向けて食べることを避けようとします。
飢餓状態になるほど空腹な野良猫であれば、食べ物を得た瞬間に、そのままうしろを向いて食べはじめることもありますが、飼い猫がうしろ向きのまま食べる場合は、周囲を気にする必要がないくらい安心できる環境にいることを示しています。
3.膝の上に乗る
猫が膝の上に乗ってくるのは、人に対しても安心しているサインです。
人間の膝の上は、柔らかくてあたたかい場所であり、地面よりも高い位置にあるというのも、猫のとっては好ましい条件が揃っています。慣れているなら決して拒む場所ではありません。
自分のテリトリーを大切にする猫は、精神的な部外者に対しては慎重です。飼い主であっても、リラックスできない環境下では人と触れ合うことを拒みます。
そのため、状況によっては拒絶することもあります。また、もともと抱っこが好きではない子は、膝の上にもあまり乗りたがらないでしょう。
4.お腹を見せて寝る・座る
仰向けになって寝る「ヘソ天」や「パンダ座り」「スコ座り」と呼ばれるお腹を見せた座り方をしていたら、猫はすっかり安心しきっています。
猫のお腹は、身体の中でもデリケートで大切な部分です。そのため、猫がお腹を見せる行動でどれくらい緊張感なく安心しているかの目安となります。
夏の暑い日には熱を放出するために、ヘソ天をする猫もいます。しかし、スコ座りは、猫が完全に安心している状況で、ゆったりと過ごせるときにしか見られないでしょう。
日常的に愛猫の「ヘソ天」「スコ座り」が見られるおうちは、猫にとって理想的な環境だといえそうです。
5.甘噛みしてくる
噛む行為が猫の安心している証拠だというのは、意外かもしれませんね。
甘噛みは、母乳を飲んでいたことの延長線上にある行動で、甘えたい気持ちやダイスキという愛情表現などの表れでもあります。飼い主を甘噛みするのは、それだけの信頼に値するからなのです。
実は、猫はあまり仲良くない相手には、猫同士であっても口を使って遊ぶことはしません。心的な距離のある相手に対して噛むということは、攻撃している=反撃される恐れがあるためです。
子猫のうちは、歯の生えかわり時期や社会化の延長で、思い切り噛んでくることがありますが、成猫になってもケガをするほど噛んでくるなら、それは安心の証拠ではなく本気噛みかもしれません。
まとめ
猫が安心しているかどうかは、猫の行動を観察することでわかります。
気を許している環境では、猫は自分の弱点をオープンにして、お腹を出したり、お尻を向けたりしてリラックスした生活を送ります。
しかし、猫の行動には、良い意味と悪い意味が入り混じっていることがあります。
例えば、喉をゴロゴロ鳴らすのは、大抵気分の良いときですが、非常に具合が悪いときにも見られることがあります。そのときには、食欲もなく傾眠傾向にあるでしょう。
また、甘噛みも状況によっては「やめて」という意味で強く噛んでくることもあります。
猫の行動から心理状態を読み解くときには、目つきや耳、しっぽの動きなど全身のサインを観察することがポイントです。