猫の病院通いは、大きなストレス
猫の飼い主さんなら、「愛猫を動物病院に連れていくのは、大変なストレスである」という意見に賛同いただけることでしょう。行き先を察知した猫は、いやがって暴れたり、鳴き叫んだりして飼い主を困らせますからね。
そんな方々に、よい知らせです。アメリカ食品医薬品局(FDA)が2023年11月、「猫の不安を和らげる新薬」を認可したのです。
これは錠剤タイプの「Bonqat」という薬です。「猫を移動させたり獣医で診察させたりする際、急性の不安や恐怖感を軽減するために設計されたもの」とFDAは説明しています。
この薬は効果が必要な時刻の1時間半前に経口投与します。続けて使用する場合は2日間までとされています。
神経の興奮を鎮める作用が
この薬には神経の興奮を鎮める成分「プレガバリン」が含まれており、FDAが承認した初めてのプレガバリン含有薬になります。
「VCA動物病院」によると、獣医の診察室や自宅以外の場所に運ばれることで、猫はひどい不安症や乗り物酔いを発症する可能性があります。
その症状は、さかんに鳴いたり唇を鳴らしたり、よだれを垂らしたりするものから、失禁や排便を伴う重度の「乗り物酔い状態」まで、さまざまです。
なお、これまで強い不安症状が見られた猫については、投薬前に必ず獣医で健康診断を受ける必要があります。
獣医の処方箋が必要
「この薬を投与された猫の半数以上は、移動や獣医の診察の際に、良好、もしくはすぐれた効果を示しました。一方プラセボ(偽薬)を与えた猫の場合は、約3分の1にしか効果は見られませんでした」(FDA報告)
「また不安症状については、108匹中83匹(77%)の猫に改善が見られましたが、プラセボの場合は101匹中46匹(46%)の猫しか改善されませんでした」(FDA報告)
新薬には一時的な副作用もあるそうです。意識の軽い低下、無気力、バランス感覚の乱れなどです。
悪用を避けるため、医師の処方箋が必要な薬品として指定されています。なお「薬品を人の皮膚・目・その他の粘膜に接触させない」など、十分注意して取り扱ってほしいとFDAでは呼びかけています。
出典:Hate Driving Your Cat to the Vet? FDA Just Approved a Drug for That