子どもと猫の同居は工夫が大切!
猫は静かな環境を好む動物で、性格もおっとりしていてマイペースな子が多いですよね。
一方で子どもはと言うと、いつでも元気いっぱいで家の中でも走り回ったり大きな声を出したり……猫とはまるで「真逆」と言っても過言ではありません。
マイペースな猫ちゃんでは、子どもに自分のペースを崩されることも多々あるかもしれません。
しかし、これを「仕方がない」とそのままにしてしまうのは注意が必要です。と言うのも、みなさんもご存知のように猫はとても繊細な生き物です。
私たち人間からしたら些細に思うようなことも、何度も重なると猫はどんどんストレスを溜め込んでしまう可能性もあるのですね。
ストレスが溜まるとどうなる?
人でも、大きなストレスから精神疾患に発展することがありますよね。
一昔前は精神疾患を患う人は少数だと思われていたようですが、誰にだって心はあるのですから、それは大きな間違い。
ストレスから病気につながるのは決して珍しいことではなく、誰にでも起こる可能性のある自然なことです。
同じように猫にだって心がありますから、ストレスを抱いたまま過ごすと病気や問題行動につながることも十分にあり得ます。
ストレスによって猫に起こることにはさまざまありますが、代表的なものは次の通りです。
- 下痢
- 嘔吐
- 大きな声で鳴く
- 特発性膀胱炎
- 心因性皮膚炎
- その他の体調不良
このような症状を確認できた時には、すぐに動物病院を受診しましょう。しかし、できるのであれば“猫がストレスを抱えてしまう前に”一緒に暮らす家族が工夫していくことが重要です。
猫の健康のために家族ができる工夫
猫がストレスを抱く前に家族で工夫を行うことが重要だとお話しました。ここからは、実際に猫と子どもを一緒に育てている我が家でも行っている工夫をご紹介します。
1:猫だけのスペースを確保する
冒頭にもお話しましたが、静かな環境を好む猫とは打って変わって、子どもは元気いっぱいなことがほとんどです。
猫がゆっくり過ごしたい時に子どもが騒いで猫がストレスを抱く…ということは珍しくありません。
しかし、だからといって遊び盛りの子どもに「猫のために静かにしなさい」なんて強要もできないですよね。猫のために静かにすることを強いてしまっては、子どものほうがストレスを抱いてしまいます。
子どもと猫のお互いがストレスを抱えないためにも、猫には前もって、家族から離れたい時に逃げられるような「猫だけが過ごせるスペース」を用意してあげましょう。
我が家の場合、家族で過ごすことの多いリビングから離れた別の部屋に、中が3段になっている猫用のケージを用意しています。
また、このケージは猫がいつでも自由に出入りできなければ意味がありません。扉は常に開けた状態にし、中には猫のベッドなども置いて、猫が安心して過ごせるような環境作りを意識するといいかと思います。
そして、もう一つ大切なのが「猫がここに入っている間は決して猫に構わない」といったルールを家族で守ることです。
猫が家族から離れたいと思ってこのスペースに来ているのに、過度に話しかけたり手を入れて触ったりしては本末転倒です。
お子さんはもちろん、大人もきちんと猫のためのルールを守りましょう!
2:猫ファーストを心がける
犬の場合には「自分や子どもが下に見られないように、何事も人間が優先で」と言われていますが、実は猫の場合には少し違います。
猫もある程度は家族に順位づけをするのですが、猫の場合には犬と違い「主従関係」の概念はないと言われています。
そのため、飼い主や家族を「自分と対等の生き物」と思っており、お世話をしてくれる飼い主は「主人」ではなく「母猫のような存在」と認識しているようです。
なので、今までは猫のお世話を一番にしていた人が急に子どもに付きっきりになると、猫がヤキモチを焼いて子どもに攻撃をすることも考えられます。
そうなってしまっては子どもも猫が苦手になってしまい、仲良く過ごすなんてできませんよね。
猫に嫉妬をさせたりストレスを与えたりして子どもに危害が加わるのを防ぐためにも、お世話はできる限り「猫ファースト」を心がけると安心です。
3:猫が嫌がることをしない
人でも苦手なことがあるように、もちろん猫にも嫌だと思うことはたくさんあります。
- 近くで大声を出す
- 体を濡らす
- しつこくする
- しっぽを掴む
- じっと目を見つめる
子どもは好奇心旺盛で上記のことをしてしまう場合も多いかと思いますが、これは全て猫が苦手に思うことなので避けるのがベストです。
小さな子どもの場合には仕方ありませんが、子どもが物事を理解できるような年齢であれば猫が嫌がることを説明し、「これは絶対にしないでね」と約束しておきましょう。
猫と共に暮らすことで、子どもは責任感を身につけたり命の大切さを知ったりなど、さまざまなことを学んでいくかと思います。
猫も子どもも双方にとってお互いの存在がメリットとなるよう、周囲の大人はできる限りの工夫をしてくださいね!
以前はトリマーとして従事していたが、愛犬の死をきっかけにペットロスカウンセラーへと転身。現在では、Rapport Cielの代表として、ペットロスカウンセラーやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する様々な記事の執筆を行う。 著書「ペットロスで悩んだときに読んでほしい愛犬の死がきっかけで平凡主婦がペットロスカウンセラーとなって起業した話: 「意外」と驚かれるペットロスとの向き合い方 (ラポールブックス)