猫の「置き餌」は危険と言われる理由
愛猫の食が細くて食べムラがあったり多頭飼いだから、と言う理由で「置き餌」をしてしまうこともあるかと思います。
しかし、この「置き餌」は猫にとって危険である、と言われているのをご存じでしょうか。
そこで今回は、猫の「置き餌」は危険と言われている理由について解説します。あまり深く考えずにずっと「置き餌」をしてしまっている場合は、ぜひこの機会に知っておきましょう。
1.鮮度が落ちて食べる量が減る
「置き餌」として長時間放置されると、フードは空気に触れて酸化しやすくなります。
酸化したフードは本来のフードの香りや味だけでなく、栄養価が低下するため猫の健康に悪影響を与える可能性があります。
猫はニオイで食べ物の美味しさや栄養価を判断していますので、鮮度が落ちると食べる量も少なくなってしまいます。
2.雑菌やカビの繁殖で体に害を与える
置き餌は危険と言われる理由には、キャットフードに雑菌やカビの繁殖するリスクが高まることも挙げられます。
猫がフードを食べる際には、口の中の細菌がフードに付着します。食べ残した場合、唾液の付着したフードで口腔内の細菌が徐々に増えていきます。それ以外にも何らかの理由でフードに細菌が付着した場合も同様です。特にウエットフードの場合は置き餌の時間が長くなるほど品質の劣化が進みます。
置き餌の時間が長いほど体への影響もあるでしょう。場合によっては病気や食中毒の原因にもなります。
3.猫の食欲が落ちて健康管理が難しくなる
猫は本能的に、新鮮な食べ物を好みます。そのため、フードの「置き餌」をしてしまうと、「いつでも食べることができる」ということを猫に認識させてしまい、猫の食欲を減退させてしまう可能性があります。
さらには「置き餌」を続けてしまうことでフードに飽きやすくなったり、猫の食事量の把握も曖昧になるため、健康管理も難しくなります。
「置き餌」をしないおすすめの与え方
愛猫にキャットフードを美味しく食べてもらうためには、食材の鮮度を保ち、猫の体に合った総合栄養食を与えましょう。
本能的に必要な栄養をとろうとする猫は、ニオイで嗅ぎ分けて食べています。
ドライフードの場合、開けたり閉めたりすると空気に触れて酸化が進むため、事前に小分けし暗所保管しておいたものを食べさせてみましょう。
食が細い猫には、猫が好むトッピングをかけると、主食のフードと一緒に食べてくれることもあります。
フリーズドライされたものを細かくしたものやフレーク状のサプリ、水分補給のウエットタイプのフードなど、猫の健康や好みに合ったものをフードに混ぜて試してみるのもおすすめです。
「置き餌」から切り替える方法
猫が「置き餌」に慣れてしまっている場合、決まった時間にのみ食事をするように切り替えるのはなかなか大変です。
猫の食事を「置き餌」をせずに、定時に一回で済ませるためには、次のような方法があります。
- フードを与える時間を決める
- フードを与える回数を増やす
- 時間を決めて食器を下げてみる
なお、「置き餌」から切り替えるのが難しい猫もいますが、なかには「置き餌」を止めることで食べムラが治る猫もいます。
生活リズムが定着しやすい猫は、食事の時間が決まっていることで体内時計も整ってきます。猫の食欲を落とさないことが置き餌の切り替えに繋がりますので、鮮度に配慮したフードの与える回数を増やしてみましょう。
猫の体調面に十分に配慮しながらの切り替えが必要になりますが、「時間を決めて残したフードを一旦片づけてみる」ことも方法のひとつです。
置き餌にしていると猫がいつでも食べられる状態のため、食に対する欲が薄れてしまっている場合があります。通常は20~30分間ほどの時間があれば完食することができます。
決まった時間にしか食べられない習慣がつくと、一度に食べてくれる量が増え、置き餌からの切り替えに成功する可能性があります。
まとめ
多くの猫は食べムラがあるため、仕方なく「置き餌」になってしまうこともあるでしょう。しかしそれが当たり前になってしまうと、食べさせるフードに問題が発生していたり、猫の体に悪影響を与えていたりするため注意が必要です。
猫によっては年齢や体調などの理由で「置き餌」でしか食べられない猫もいます。その場合は、食事回数を増やしてあげたり新鮮なフードに交換する配慮をしてあげましょう。
長年「置き餌」を続けていた猫も、与え方や切り替え方で改善することがあります。食事中の猫の様子を確認しながら、愛猫の食べられる量を徐々に増やしていきたいですね。