「からっぽの浴槽」だけが安らげる場所…さみしげなバスタブ猫にネット民も涙 シンガポール

「からっぽの浴槽」だけが安らげる場所…さみしげなバスタブ猫にネット民も涙 シンガポール

保護された猫には強い自閉症のような症状があり、他の猫たちと離れて「からっぽの浴槽で眠る」のが唯一の心の安らぎ。この映像がネット上に投稿されると、心を痛めた人々から多くのコメントが寄せられました。

保護した猫は「自閉症」?

バスタブで眠る猫

写真はイメージです

ある猫が水の入っていない浴槽の中でポツンと眠る映像がTikTokに投稿され、ネット民の話題になっています。

投稿したのは、この猫を世話しているNorliza Kamardinさん(シンガポール在住)です。説明には「Tommyは自閉症で、ほかの猫たちはこの子と遊びたがりません」とあります。

「うちには保護した猫たちがほかに15匹います。Tommyは子猫のときから1年間ケージに入れられて育ったのです。わたしが保護したときに、初めてケージから出ました」

「Tommyの態度を嫌ったほかの猫たちは、決して仲良くしようとしません」という説明が添えられたビデオには、からっぽの浴槽に座るこの猫の姿が映っています。排水溝のそばには、小さなおもちゃのボールが置かれているだけです。

カメラが近づくと、Tommyは無表情でこちらを見つめます。「この猫は毎晩、独りぼっちで浴槽の中で眠ります」

周囲と意思疎通できない症状

「自閉症って何?」と書かれたメモと猫の絵

写真はイメージです

「自閉スペクトラム症」(ASD)は、「社会面やコミュニケーション、行動に重大な問題を引き起こす恐れのある発達障害」だと疾病管理予防センター(CDC)は解説しています。

Luqman Javed獣医師が査読した「Catster」誌の2023年11月号の記事によると、「猫が自閉症になるという科学的な証拠はないものの、猫はASDの人間と同様の行動をとることがある」といいます。

次のような行動は、ASDの患者によく見られます。

  • 人と友好関係がもてない
  • 相手と目が合うのを避け、独りになりたがる
  • 抱かれたり、触られたりするのをいやがる
  • まわりに関心を向けるものの、意思疎通や遊ぶことは避けようとする
  • 同じ行動を何度も繰り返す
  • 日常と違うことがあると、うろたえてしまう

Tommyが浴槽の中に隠れるのも、まわりの環境からストレスを感じているための行動と思われます。

逃げて隠れるのは「猫の特性」

隠れる猫

写真はイメージです

作家で猫の行動専門家でもあるPam Johnson-Bennettさんは、次のように話していました。

「隠れることは、猫がストレスに対処するために大事なことです。隠れている間にまわりで何が起きているかを考えることができるし、身の安全を確保できるからです」

投稿者のNorlizaさんは「Tommyには社交性が欠如していて、ほかの猫から見ると奇妙な存在なので、誰もそばに寄りつこうとしません。Tommyはいつもビクビクしています。現在の環境に何とか適応しようとしているのでしょう。子猫時代にケージに閉じ込められていたせいで、今でも閉ざされた環境を好むのです」と説明しています。

この投稿を見た人々は、多くのメッセージを寄せています。

「すごく悲しいね」
「涙が出て来る。この猫を抱きしめてあげたいわ」
「ああ、かわいそう。この子の友達になってあげたいよ」
「どうかこの浴槽で快適に過ごせるようにしてあげてください。たぶんここが安心して眠れる唯一の場所なのでしょうから」

出典:Reason Why Cat Sleeps Alone in Bathtub Breaks Hearts: 'Crying'

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