猫が「ほりほりしたくなる場所」
猫と暮らしていると、しばしば様々な場所を猫が「ほりほり」する姿を目にすることがあると思います。
猫はなぜこのような行動を、どのような気持ちでしているのでしょうか。
そこで今回は、猫が「ほりほりしたくなる場所」と、それぞれの心理、適切な対応について紹介いたします。
1.キャットフード(食器周辺)
まるで砂をかけるような仕草を、キャットフードや食器周辺で行う場合は、2つの理由が考えられます。
まず最初の理由として挙げられるのが、満腹であることをアピールしたいから、です。この理由には、「お腹いっぱいだから残しておこう」という心理が働いています。
猫は元々、狩りで得た食糧を埋めて保管する習性を持っています。その名残りが強い猫は、キャットフードに対しても同じような行動を取るものなのです。
そしてもうひとつの理由は、フードに対する不満を訴えるものです。
例えば、食感や風味が猫の好みではなかった時にこの仕草が見られます。ここには、「不味くて食べられないので捨ててしまおう」という思いが乗せられています。
それぞれ異なる理由のため、愛猫がキャットフードや食器周辺でほりほりした場合は、どちらの理由でその仕草をしたのかを正しく見極める必要があります。
前者の「お腹いっぱい」の行動に対しては「ごちそうさま」という意味合いとして受け取り、残飯を破棄してください。一方後者の「不満がある」という行動に対しては、フードを軽く温めたり他のフードとブレンドするなどフードを少しアレンジしてみる等の対処をしてみてください。
尚、フードを変更する際は、急に変えてしまうと猫が違和感を覚えて食事そのものを受け付けなくなってしまう危険性があるため、これまでの食事から徐々に切り替える方法がおすすめです。
2.ふわふわの布団
猫は柔らかいものを見つけると、つい掘りたくなる習性を持っています。
その理由としてまず挙げられるのは、寝床の準備です。これは、人間でいうベッドメイキングのようなもので、寝心地が良い状態に整えようとします。
次に多いのは、その布団をトイレとして認識しているから、という理由です。野生の猫は砂の他、柔らかい芝生などもトイレとして活用しています。その名残りから、飼い主さんのお布団もトイレとして使おうとする場合があります。
この場合は、お布団が犠牲になる前に手を打たなければなりません。そこで、次のような対応をしてみると良いでしょう。
- 寝室に入れない仕組みを構築する
- 猫トイレが快適かどうか再確認する
- トイレに誘導する
子猫の場合は、トイレの場所が分からないこともあります。お布団に限らずほりほりする様子が見られたら、トイレに連れて行くと良いでしょう。トレーニングを重ねるうちにマスターできるようになります。
3.床
猫が床を掘る理由は、興奮状態からのクールダウンしたかったり、イライラやストレス発散などが挙げられます。
遊びの途中で見られる場合は、自身を落ち着かせようと努めています。
それ以外のシチュエーションで度々見られる場合は、愛猫が不安や不満を抱いていないかチェックしてみてください。思い当たる節がある場合は、できることから改善していきましょう。
4.飼い主さんの体
ほりほりする場所が飼い主さんの体の場合、甘えたい、構ってほしいという気持ちが込められています。この場合は猫がスキンシップを求めている時なので、優しく声をかけながら撫でてあげましょう。
なお、日頃から飼い主さんの体をほりほりする癖があるようならば、猫の爪をまめに切って整えておきましょう。また、万が一穴が空いても良い服装で過ごすと良いでしょう。
まとめ
猫が特に「ほりほりしたくなる場所」は、食器周辺・布団・床・飼い主さんの体などでした。それぞれ別の意味合いを持ち、適切な対応をとることが大切です。
中でもトイレの準備を目的としている場合は、早めの対処と訓練が功を奏します。くれぐれも叱らず、根気強く教えていきましょう。
ほりほりされて困るシチュエーションの場合は、愛猫を叱るのではなく、不満などを解決してあげたり、そもそもその場所をほりほりできない環境に物理的に変えてあげるなどの配慮をしてあげたいですね。