『肥満猫』が負う4つの健康リスク 肥満度のチェック法と対策も解説

『肥満猫』が負う4つの健康リスク 肥満度のチェック法と対策も解説

「ぽっちゃり猫は愛らしい」という考えは、非常に危険です。「肥満猫」が負う健康リスクには、最悪命の危険も。そこで今回は、「肥満猫」が負う健康リスクと、肥満度のチェック法と対策について詳しく解説いたします!

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

「肥満猫」が負う健康リスクとは

メジャーを体に絡ませた猫

「食いしん坊は元気の証、猫はぽっちゃりしているほうが可愛い。」このように言われることがあると思いますが、実際に「肥満猫」が辿る道は険しいものになることがあるのです。

そこで今回は、甘く見てはいけない、「肥満猫」が負う健康リスクを紹介いたします。肥満度のチェック法と対策も合わせて解説します。

1.関節痛・捻挫

足の診察を受ける猫

ぽっちゃり体型から「肥満猫」と呼ばれるまでに状況が悪化した猫は、将来関節に痛みを抱えたり、捻挫をする恐れがあります。

これを繰り返していると、やがては歩行に支障をきたし、寝たきりになるリスクまで招いてしまうでしょう。

そこで、若いうちから適正体重や、標準体型を意識しておくことが重要です。次のようなチェック項目を参考にしてみてください。

  • 肋骨がゴツゴツと浮き出ている猫は「激しい痩せ型」
  • 肋骨に触れた感触がゴツゴツしていれば「痩せ型」
  • 程よく肋骨に触れる体型が「標準」
  • ギリギリ肋骨が認識できるものは「ぽっちゃり」
  • なおかつ肋骨に触れないものは「肥満」

ちなみに、こちらの基準は短毛種の猫です。長毛種の場合はこちらと基準が異なりますので、別途インターネット等で確認してみましょう。

2.糖尿病

食事をする猫

糖尿病は人間のみならず、猫にも起こり得る疾患です。糖尿病は合併症が怖い病気で、猫の場合は心疾患・腎臓病などを併発する恐れがあります。

状況次第では、食前にインスリン注射を打たなければなりません。しかし猫は、食べムラがあるので、注射によるコントーロールが難しいのです。

そのため、やはり日頃から食べ過ぎに注意することが大切です。暴食を控え、適度に遊べるように、キャットタワーや知育玩具などを活用してみてください。

3.心臓疾患

聴診を受ける猫

仮に糖尿病を回避できたとしても、「肥満猫」のままでは心疾患のリスクがついてまわります。

肥満になるとより強く血液を送り出す必要性が出てきます。これが自ずと心臓に負荷をかけることになり、心臓自体が故障してしまうのです。

4.皮膚炎

痒がる猫

猫の皮膚が常に清潔で体臭がほとんどないのは、毛繕いの日課があるからです。猫はこの習性によって身なりを整えているのです。しかし肥満になると、この大切な日課さえ満足にこなせなくなってしまいます。

例えば、痒いところに舌が届かなくなる、毛繕い自体が億劫になるなどの影響が出てくるでしょう。

猫がセルフグルーミングを怠るようになると、皮膚炎を起こす可能性があります。他にも脂肪がつくことでしわになる部分が増え、しわの間を清潔に保てず、皮膚炎につながることもあります。

愛猫から「ちょっぴり毛繕いが大変そう」という印象を受けるようになったら、ダイエットの始め時かもしれません。

まとめ

体重計の前で見上げる肥った猫

愛猫を撫でた時、程よく肋骨を認識することはできますか。もし全く触れず、どこに肋骨があるか分からない状態であれば、「肥満」体型です。

こうなると、もはやぽっちゃりさんの領域を出ていますので、今回ご紹介したような健康リスクについて注意する必要があります。特に糖尿病・心疾患は深刻な病気であり、猫の命をも脅かすでしょう。

日頃から愛猫の体型をチェックして、太り過ぎにならないように気をつけましょう。

運動不足な猫や食いしん坊の猫には、転がすとフードが出てくる知育玩具がおすすめです。そして、早食いさんには敢えて突起がついた『早食い防止皿』が有効です。

愛猫の寿命や健康は、飼い主さんの普段からの愛猫への心掛け・心配りにかかっています。愛猫の健康的な体型が維持できるように、今まで以上にサポートしていきましょう!

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