老猫に『おむつ』が必要になったら メリット・デメリットや慣らし方を解説

老猫に『おむつ』が必要になったら メリット・デメリットや慣らし方を解説

室内で粗相するときや外出時にあると安心な「おむつ」。老猫になると、おむつの必要性を感じる場面も増えてきます。しかし飼い主さんの負担が減る一方で、猫が慣れていない場合はデメリットが生じることも少なくありません。愛猫がおむつを使用するメリットやデメリットを知り、適切な場面でおむつを活用してみましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

老猫に「おむつ」を使用するメリット

おむつをつけている猫

おむつを使用することの目的やメリットとして挙げられるのは、猫の粗相や排泄物で室内を汚してしまうのを防げることです。老猫の健康状態によっては、複数の場所に粗相をしたり掃除のしにくい場所で排泄をしてしまったりすることもあります。

片づけられる状況にないときでも、猫がおむつをつけていることで、掃除の手間や心の負担を軽減することができます。そのため老猫がおむつを使用できれば、猫にも飼い主さんにとっても衛生面、精神面での手助けになるでしょう。

体を動かすのが難しくなってきている老猫は、排泄前にトイレに自力で行くことが困難な場合もあります。そのため、おむつを上手に使用することができていれば、病院などの外出先にも安心して猫を連れていくことができます。

老猫に「おむつ」を使用するデメリット

茶猫

デメリットとして心配なのは、おむつを使用している時の違和感や皮膚トラブル、膀胱炎、自然な排泄行動が制限されることで、猫にストレスを与えてしまう可能性があることです。

おむつを使用できるかどうかは、猫の性格によって左右されることがあります。そのため、おむつが必要になった場合、装着の仕方を工夫する必要もあるでしょう。

一方もしスムーズにおむつを装着できた場合でも、長時間使用すれば皮膚に負担がかかり、トラブルを引き起こしやすくなります。

衛生面やおむつの機能を保つための「定期的なおむつ交換」が必要になるため、おむつ代の経済的な負担も相当かかってくるでしょう。

愛猫を「おむつ」に慣れさせるための方法

椅子の上で怒る老猫

猫にとっての「おむつ」は、上記のようにメリット、デメリットそれぞれあります。

しかし、猫専用のおむつとして販売されているものは、猫の体にフィットするように作られているため、意外と嫌がらずに装着できる場合も多いです。

まずは最初のうちは、慣れさせる目的で短時間だけ試してみましょう。おむつをつけた直後に「おやつ」「おもちゃ」など猫の喜ぶもので興味を惹き、「おむつを装着すると良いことが起きる」と猫に認識させ、嫌な気持ちにさせないことが大切です。

無理やり外そうとする場合は、時間をおいて改めてチャレンジし、少しずつ時間を延ばして慣れさせましょう。

猫がおむつを嫌がるのは、装着させるときの締め付けがゆるかったり逆にきつかったりしてストレスになっていることが原因かもしれません。猫の体に合ったサイズのおむつを選び、お尻にぴったりとフィットするように調整をしてあげましょう。

まとめ

おむつをして見つめる猫

老猫に「おむつ」が必要かどうかは、愛猫の健康状態や環境によって異なってきます。初めて愛猫におむつをつけるときは短時間から慣らしていき、ご褒美で猫のストレスケアを行いましょう。

なお、おむつを長時間使用していると尿やけなどの皮膚トラブルによって不快感につながったり、膀胱炎などの感染も起こりやすいので、お尻まわりを定期的にお手入れをすること、おむつを装着しない時間を決めるなどの猫に負担をかけない配慮も大切です。

おむつは猫と飼い主さんの生活をサポートしてくれるアイテムになります。メリットやデメリットを意識しながら、愛猫に無理のない範囲で活用していきたいですね。

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