猫の『変形性関節症』とは?気になる症状や予防法、気をつけるべき猫のタイプ

猫の『変形性関節症』とは?気になる症状や予防法、気をつけるべき猫のタイプ

猫の「変形性関節症」をご存知ですか?実は、猫は関節の病気になりやすいと言われています。しかし、猫は痛みや体調不良を我慢してしまう動物ですので、関節症になっていても気が付かない飼い主さんも多いようです。今回は猫が「変形性関節症」になるとどのような症状が表れるのか、予防法も併せて解説いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の変形性関節症の症状とは

ジャンプする猫

猫の変形性関節症とは、骨と骨をつなぐ関節をスムーズに動かすために必要な軟骨や、周辺組織が変形して炎症が起こる状態のことを指します。

11歳以上の約9割の猫が、関節の炎症を抱えているという報告もあり、猫にとって変形性関節症は身近な病気のひとつと言われています。

猫が変形性関節症になると、主に以下のような症状が表れます。

  • 元気がない
  • 毛づくろいや爪とぎをしなくなる
  • 高い場所へ飛び乗ったり飛び降りたりしなくなる
  • 触ると痛がる
  • 立ったり座ったりする動作がぎこちない
  • 段差のあるトイレをうまく出入りできない
  • 興奮しやすく攻撃的になる
  • 足を引きずる

猫は、痛みや体調の悪さを極限まで我慢してしまう子が多いので、変形性関節症の早期発見のためには飼い主さんが猫の異変に気付いてあげることが重要になります。

もしも、猫に上記したような症状が見られた場合は、変形性関節症になっている可能性がありますので、動物病院で診てもらってくださいね。

猫の変形性関節症を予防するには?

おもちゃを狙う猫

猫の変形性関節症を予防するためには、極力関節に負担をかけないようにすることが重要です。

太りすぎると関節に大きな負担がかかるので、体重管理をして肥満を防ぐことが大事になります。

また、適度な運動をすることも変形性関節症の予防には有効な方法です。

過度な運動は関節に負担を与えてしまうのですが、無理のない程度に運動をさせてあげると、変形性関節の動きをサポートする筋肉が発達して関節症の予防につながります。

ジャンプは関節に負担をかけてしまいますので、おもちゃなどを使用して走り回れる運動が理想的といえます。

猫の年齢に合わせて適度に運動をすることで、関節症だけでなく肥満を防ぐことにもつながりますので、是非取り入れたい予防法です。

そのほか、猫が足を滑らせないために床材を見直すことや、高い場所から飛び降りたときに関節を痛めないようにクッションやマットを敷くことも、変形性関節症の予防には有効な方法となります。

爪や足裏の毛が伸びていると、爪がカーペットに引っかかったり足を滑らせる要因になりかねません。定期的に爪を切ったり足裏の毛をカットしてあげることも、変形性関節症を防ぐことにつながりますので、是非実践してくださいね。

変形性関節症になりやすい猫のタイプ

スコ座りするスコティッシュフォールド

猫の中には、変形性関節症になりやすい猫種が存在します。

猫の変形性関節症は「一次性」と「二次性」の2種類に分かれており、一次性の関節症は、はっきりと原因がわかっていないものの、加齢に伴い発症する関節の炎症ではないかと言われています。

二次性の関節症は、軟骨そのものに異常がなくても、遺伝的な要因が影響することによって引き起こされる関節症になります。

シャムネコ、スコティッシュフォールド、デボンレックスは、二次性の変形性関節症になりやすいと言われていますので、若いうちから関節に注意してあげることが肝心です。

まとめ

女性に抱っこされる猫

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫にとって身近な病気である「変形性関節症」についてお話しいたしました。

変形性関節症は、多くの猫がかかりやすい病気ではありますが、ほとんどの猫が痛みを我慢して隠そうとするため、発見が遅れてしまうことが多い病気です。

早期発見のためにも、普段から愛猫の健康チェックを行って、飼い主さんが小さな異変に気付いてあげることが重要になります。

関節は、運動神経の高い猫のアクティブな動きを支える大事な部分となりますので、関節に過度な負担をかけないための環境を整えて、愛猫がいつまでも快適に過ごせるようサポートしてあげてくださいね。

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