猫に『紅茶』を絶対に与えてはいけないワケ
紅茶の豊かな香りにホッと癒される方も多いでしょう。しかし猫が飲んでしまうと、ゾッとする結末になる恐れがあることはご存じでしょうか。
今回は、猫に紅茶を与えてはいけない3つの理由と、誤飲した際の怖い症状や対処法について合わせて紹介いたします。
紅茶が趣味、という方は、是非今一度確認をしておきましょう。
1.カフェイン中毒のリスクがある
コーヒーと同様に、紅茶にもカフェインが含まれています。猫がカフェインを摂取すると心筋や中枢神経が刺激され、中毒症状を引き起こす恐れがあります。
平均体重である3kgの成猫で2L〜3L、体重1kgの子猫であれば500ml飲むと致死量になると考えられています。高齢の猫に至っては、少量でも危険です。
現実的に見てこれらの量を一気飲みする可能性は薄いでしょう。よって、健康な成猫が一口舐めた程度では死に至ることはありません。
とはいえ、誤飲してしまった時は呼吸が荒くなっていないか、興奮状態や痙攣が起きていないかなど、注意深く観察してください。
これらの症状が見られた際は、速やかに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
2.ストルバイト結石になる恐れがある
紅茶には豊富なミネラルが含まれています。猫がミネラルを過剰摂取すると、『ストルバイト結石』というタイプの尿路結石を発症する恐れがあります。
次のような症状が見られたら、できれば当日に難しい場合は翌朝には動物病院を受診してください。
- まる1日排尿がない
- 微量の尿を漏らした形跡がある
- 何度もトイレに行くがほとんど尿が出ない
- 痛がるような悲鳴をあげる
- 血尿が出た
ストルバイト結石に関しては、療法食による治療が可能です。
3.シュウ酸カルシウム結石になる恐れがある
紅茶による尿路結石のリスクはもう1つあります。それは『シュウ酸カルシウム結石』というタイプの尿路結石です。その名の通り、シュウ酸を過剰摂取することによって発症します。
シュウ酸というとほうれん草を思い浮かべる方も多いでしょう。実は紅茶にもシュウ酸が含まれています。ほうれん草と同様に注意が必要です。
こちらもストルバイト結石と同様の症状が出てくるのですが、手術以外の治療法がないという点で厄介です。
持病などの関係上、手術が困難な猫と暮らす飼い主さんは特に紅茶の管理に気を配ってください。健康な成猫の場合は早期発見・早期手術によって改善します。
やはり、異変に気づいたら早急に動物病院に連れて行きましょう。診察の際に紅茶の誤飲があった旨を必ず伝えてください。
まとめ
紅茶に含まれるカフェイン・ミネラル・シュウ酸が、猫にとっては悪影響を及ぼす可能性があります。
今回は飲み物としての紅茶を前提にお話しましたが、もちろん茶葉を直接食べることにもリスクがあります。紅茶をよく飲まれる飼い主さんは、茶葉の保管を含めて気をつけてくださいね。
それでも万が一の事が起きてしまった場合は焦らず、まずは動物病院に連絡してみてください。
受診の指示があれば連れて行き、要観察の指示が出た際はそのポイントに沿って様子を見てあげてください。