オリーブオイルは猫にあげても大丈夫
オリーブオイルは、猫にとって毒性のある食べ物ではないため、少量与える分には問題ありません。
ご存じのように、オリーブオイルはオリーブの実からとれる油です。オリーブの実には、約10〜30%の油が含まれており、それを絞って作られています。
なかでもエクストラバージンオリーブオイルは、加工が最小限に抑えられているので、化学処理されている油類と比較しても猫には安全です。
ただし、オリーブの実や葉には、すこし注意してください。
オリーブの実に毒性はありませんが、ビン詰などで売られている加工品は塩分が多く、生の実は渋くて硬い種もあるため、どちらも猫の食用としては不向きです。
同様に、オリーブの葉っぱも猫が口にしても問題ありませんが、「硬葉樹」と呼ばれるだけあってとても硬いため、吐き戻しや消化不良を起こす危険があります。無添加のオリーブ葉のお茶などは、問題ありません。
オリーブオイルの上手な与え方と注意点
オリーブオイルを猫に与えるときには、適量を守る必要があります。愛猫の食事にオリーブオイルを追加するときの与え方と注意点をみてみましょう。
オリーブオイルの与え方
愛猫に初めてオリーブオイルを与えるときには、まずは1〜2滴からはじめましょう。いつもの食事によく混ぜて与えます。
オリーブオイルには独特の香りがあるため、ニオイで食事自体を拒否される可能性がありますし、新しいものを急に食べるとお腹を壊す場合があるためです。
適量は、1日最大で小さじ1/3分程度です。
カロリー過多に注意
小さじ1杯のオリーブオイルは約40kcalです。一般的なサイズの成猫にとっては、1日に必要なカロリーの約20%相当で、かなりカロリーが高いことがわかります。
健康によいオリーブオイルでも、頻繁に摂取させてしまうとカロリーオーバーになり太りやすくなります。
子猫に与える場合は、1〜2滴程度にとどめ、毎食は与えないようにしましょう。子猫のうちに過剰なカロリーを摂取してしまうと、将来的にも太りやすくなるといわれています。
胃腸の不調
一日に大さじ1杯以上のオリーブオイルを摂取すると、消化不良を起こすことがあります。
- 軟便
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 食欲不振
オリーブオイルを与えたあとに、このような症状が見られたら、もしかしたら与えすぎかもしれません。
特に1歳に満たない子猫は、一度に大量の脂肪を処理するだけの消化酵素を十分に持っていません。不調が見られたら、いったん中止した上で動物病院に相談しましょう。
オリーブオイルの効果
愛猫に適量のオリーブオイルを与えることで、猫の健康をサポートすることが可能です。
- 便秘改善
- 毛球症予防
- 被毛や皮膚を守る
- 栄養の吸収効率アップ
- 抗酸化作用や抗炎症作用
猫の便秘の原因には、食事中の繊維不足や食事量の不足、飲水量の不足、加齢、腎臓疾患などもあります。いずれの場合でも、すでに3日以上排便がない場合には、すぐにでも病院での治療が求められます。
しかし、排便があっても出にくそうにしていたり、ペースが乱れていたりするときは、オリーブオイルを適量与えることで改善が期待できます。
また、ふだんから健康的な猫の便秘の中には、毛づくろいで大量の毛を飲み込むことで便が出にくくなることがあります。
オリーブオイルは、消化されずに腸内で固まった被毛をコーティングして排出しやすくしてくれますので、こまめなブラッシングと併用するとよいでしょう。
そのほか、オリーブオイルには脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)の吸収率アップや抗酸化作用、抗炎症作用があるといわれています。
猫にも良い影響を与えるオリーブオイルですので、適量を守りつつ、健康な毎日をサポートしてあげましょう。
まとめ
猫にとって、オリーブオイルは毒性がなく、安全に摂取できる食品のひとつです。
オリーブオイルにはいくつもの優れた特性があり、健康へのプラスの影響が期待できます。ただし、たくさん与えたからといって、健康増進にはつながりません。かえって負担がかかる場合もあり、必要不可欠なものではありませんので与える際には量には注意してください。
実際に猫にオリーブオイルを与える場合は、ふだんの食事や健康状態とあわせて検討した上で適量を守ることが大切です。
また、嘔吐や軟便、下痢などの不調などが見られた場合は、獣医師に相談するようにしましょう。