猫のいる家庭で洗濯物の「部屋干し」をする際の注意点3つ 愛猫が苦痛に感じることも

猫のいる家庭で洗濯物の「部屋干し」をする際の注意点3つ 愛猫が苦痛に感じることも

仕事や天気の都合で洗濯物を「部屋干し」する人も多いはず。しかし、洗濯物の部屋干しは、猫に悪影響をおよぼすことがあります。ここでは、猫のいる家庭で洗濯物を「部屋干し」するときの注意点を解説します。愛猫の快適な暮らしを守りましょう。

1.ストレスを与えないようにする

洗剤のニオイを嗅ぐ猫

洗濯物を干している部屋には、洗濯洗剤や柔軟剤の香りがただようものです。『猫は人の5倍もニオイを感じやすい』といわれているので、人間にとってはほのかに香る程度の香りでも、猫にとっては不快であることが往々にしてあります。

つまり、洗濯物を「部屋干し」することで、猫にストレスを与えてしまっている可能性があります。

また、人間にとって好ましい香りだからといって、猫も喜ぶと勘違いしてはいけません。

猫は柑橘系やハーブ、メントールなどの香りを苦手とします。人間が嫌いなニオイを不快に感じるように、猫にとっても苦手なニオイはストレスに感じられます。しかも猫はニオイに敏感なので、洗濯物を部屋干しするときは、洗剤の香料や使用量に注意が必要です。

もしどうしても猫のいる家庭で部屋干しをする必要があるのなら、洗濯洗剤や柔軟剤は「無香料タイプ」のものを選ぶと安心です。また安全のために、柔軟剤を使用しないという選択肢もあります。

2.健康被害を与えないようにする

グルーミングする猫

「香害(こうがい)」という言葉をご存じでしょうか。これは、洗剤や柔軟剤などにふくまれる合成香料(化学物質)の影響で、不快感や健康に悪影響をおよぼすことを意味しています。

香害は人間に対してだけではなく、猫に対してもじゅうぶんありえることです。洗剤や柔軟剤などにふくまれる香料は、前述したようなストレスのみならず、健康被害もおよぼすのです。

たとえばラベンダーの香りは肝臓や腎臓に悪影響を及ぼし、嘔吐や下痢、けいれん、めまい食欲不振などを起こすリスクがあります。アロマオイル関係だと、ユーカリやカモミールなどは特に猫にとっては毒性が強く、危険とされています。

このように、猫の体にとっては毒となる香りがたくさんあるのです。

またその表現方法も「香害」という言葉だったり「匂いアレルギー」と呼ばれたりしていますし、2009年には厚生労働省においてその症状が「化学物質過敏症」として登録されました。

洗濯物の部屋干しをすると、猫は柔軟剤の成分を微量に吸い込んでいきます。しかも化学物質の成分は床に蓄積されていくので、猫の被毛にくっつき、グルーミングによって猫の体内に摂取されていくことも考えられます。

洗濯物を部屋干しをする場合、できるならその部屋に猫を入れないようにすると安心でしょう。

3.湿度管理に注意する

洗濯機に入る猫

猫は基本的に「湿気に弱い」とされています。それは、猫の祖先が砂漠に住むリビアヤマネコであったことも理由のひとつです。寒い地域に先祖をもつ長毛種の猫は別として、特に短毛種の猫は湿度の高い場所が苦手なのです。

一般的に、猫が快適に過ごせる環境は、気温が22度前後で湿度が40~60%が目安といわれています。しかし、洗濯物の「部屋干し」は、乾燥対策としても推奨されるように、部屋の湿度が10~20%くらい上がるとされています。そのため、洗濯物が干してある部屋の湿度は、70~80%にもなることがあります。

湿度の高い部屋だと猫は上手に水分を蒸発させることができないため、体温調節が上手にできなくなる場合があります。またノミやダニなどの繁殖リスクも高くなります。

梅雨の時期や冬場の暖房による高温多湿の環境は、猫が過ごしにくい環境になっているかもしれないので注意が必要です。さらにカビや雑菌も繁殖しやすいので、小まめな換気を心がけましょう。

まとめ

部屋干し中の洗濯物の上から見つめる猫

猫にとって、洗濯物の「部屋干し」には、案外危険がたくさんあることがわかりました。猫のいる家庭で「部屋干し」をしたい場合は、猫のためにさまざまな配慮をする必要があります。

また、猫の飼い主さんは猫と毎日一緒にいるので気づきにくいかもしれませんが、猫を飼っていると独特のニオイがしていることがあります。それは飼い主さんにとってはとても良いニオイで、中には「猫吸い」する人も多いほどですが、世の中にはその独特の猫のニオイが苦手な人もいます。

猫のいる部屋で「部屋干し」した衣類にはそのような猫のニオイがつきやすく、また猫の毛も付着しやすいものです。

結果として、洗濯物を「部屋干し」したい場合は、猫のいない部屋で干すことが、猫にとっても飼い主さんにとっても良さそうですね。

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