猫の目が「真ん中に寄っている」ことで考えられる原因
時々、黒目が常に中心に寄っている猫に出会うことがありますよね。
これは『内斜視』と呼ばれる状態なのですが、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。
ここでは、猫の目が「真ん中に寄っている」ことで考えられる原因、見え方や生活面で困ることはないかという点と合わせて解説いたします。
1.先天的なもの(遺伝)
猫の目が真ん中に寄っているときに考えられる原因のひとつとして、まずは「先天的なもの(遺伝)」が考えられます。
網膜に異常をきたす遺伝子を受け継いだ猫は、内斜視になることがあります。
具体的にこの症状があらわれるのは生後6週~8週頃とされており、誕生したばかりの子猫の目は普通の猫と変わらない、という特徴があります。
先天性の内斜視に関しては治療法がなく、根治することはありません。ただし、当の猫自身は成長段階でその状態に慣れてしまうため、とくに生活に支障がないことが殆どなのだそうです。
ちなみに黒目が真ん中に寄る理由は、通常とは異なる視覚回路を介して情報処理を行ううえで脳が誤作動を起こすことを防ぐためだといわれています。
2.後天的なもの(外傷)
例えばキャットタワーから転落したり、フローリングで転倒すると、頭を打ち付けてしまうことがあります。
その際に、視神経にダメージが及ぶと内斜視になることがあります。
もし損傷が一時的なものであれば、その後治癒します。
3.脳の異常によるもの
怪我と同様に後天的なものとして、脳の異常が挙げられます。
このケースでは外傷とは関係なく、突然内斜視があらわれます。多くのケースでは、ふらつきやけいれんなどの症状も併発されるので、これらの異変が愛猫の身に起きた場合は診察を受けてください。
予後は病気の内容によって異なります。けいれん発作は、薬の服用によってコントロールできる場合もあるでしょう。
内斜視に関しては、手術によって回復する場合もあります。ただし、医療費が高額になることや全身麻酔による体への負担が懸念される治療法です。獣医さんとの相談を重ねたうえで検討すると良いでしょう。
4.『ポインテッド』を持つ猫
顔の中心部の被毛の色味が濃くなる『ポインテッド』という特徴を持つ猫は、しばしば内斜視になる傾向があります。
とはいえ、ポインテッドの猫が全て内斜視になるというものではありません。
仮に内斜視だったとしても、生活するうえで大きく困ることはないでしょう。
まとめ
今回は、猫の目が「真ん中に寄っている」状態の場合に考えられる原因について解説しました。
いわゆる内斜視には大きく分けて、先天性によるものと後天性によるものがあり、先天性の場合は治癒することはありませんが、特に支障をきたすものでもありません。元気いっぱいに普通の生活が送れるので、安心して見守ってあげてくださいね。
しかし後天性の場合は、外傷や脳の異常が起きている可能性があります。むしろ注意すべきはこちらのケースです。
愛猫が頭を振ったりふらつきがある、けいれん発作が見られるなどの異変に気づいたら、動物病院を受診してください。何事も早期発見が重要です。