猫を『臆病』に育ててしまう4つの原因 ビクビクした子に育つデメリットも解説

猫を『臆病』に育ててしまう4つの原因 ビクビクした子に育つデメリットも解説

どんなことにも物怖じしない社交的な猫がいる一方、少しの物音にもビクついてしまう臆病な猫もいます。両者にはどんな違いがあるのでしょうか。この記事では、猫が臆病な性格になる理由を解説しています。臆病な猫への接し方も紹介していますので、参考にしてみてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.社会化の不足

猫の兄弟

社会化が不足した猫は臆病な性格になりやすいです。

社会化とは、仲間の動物とのふれあいを通じて、相手の行動の意味やコミュニケーションの手段を学ぶ過程のことで、一般的には生後2〜9週頃が「社会化期」とされています。

刺激に慣れやすい時期でもあるため、この時期にどんな体験をするかによっても性格が大きく変わります。社会化期よりも前に母猫から離されたり、兄弟猫以外とふれあったことがない猫は、警戒心が強く臆病な性格になりやすいでしょう。

2.過去のトラウマ

怯えた目をしている猫

過去にトラウマになるような怖い体験をした猫も臆病になる場合があります。人に虐待されたり他の動物に襲われたりと、状況はさまざまです。

猫は強く印象に残るような嫌な記憶はいつまでも覚えています。これは、二度と同じ経験をしないために備わった本能であり、厳しい野生を生き抜くために重要なことです。

トラウマによって心を閉ざしてしまった猫が再び心を開いてくれるのには相当な時間がかかります。もしトラウマを抱える猫に出会ったら、根気強く広い心で受け入れてあげましょう。

3.遺伝

父猫と子猫

猫は遺伝により臆病に育つ場合があります。一説によると父猫の性格を引き継ぎやすいため、父猫が臆病な性格だと子猫も臆病になりやすいという考えもあるようです。

逆に友好的な父猫の場合は、生まれてくる子猫も社交的になりやすいという考え方もあるようです。なお、父猫が臆病だったとしても、子猫の育つ環境によっては社交的な性格に育つ場合もあります。

4.母猫や子猫の栄養状態

母猫と子猫たち

妊娠中の母猫や生まれて間もない子猫の栄養状態が悪いと、行動や性格に変化が起こりやすいとも考えられています。これは脳の発達が遅れることが原因ともいわれており健康な身体をつくるには十分な栄養が必要であることを意味しています。

具体的な変化としては

  • 極度の怖がり
  • 攻撃的な一面
  • 行動力や学習能力の欠如

といった点が挙げられます。母体や子猫の栄養不足は、肉体的にも精神的にも不安定になりやすいのです。

臆病に育つデメリット

物陰に隠れる子猫

臆病な猫は、少しの物音やわずかな環境変化でも強いストレスを感じます。玄関が開いた拍子に脱走してしまったり、急に触られたことに驚いて攻撃的になったりすることもあるでしょう。

その他にも、過剰なグルーミングで脱毛したり、顔を激しく引っ掻いたりして、体を傷つけてしまうこともあります。また、ケージに入るのを嫌がり、動物病院に連れていけないなどのデメリットも考えられます。

臆病な猫への正しい接し方

飼い主の膝の上にのる猫

臆病な猫に安心して過ごしてもらうには、ストレスをかけないような対応が必要です。

たとえば

  • ゆっくり動く
  • 落ち着いた声で話しかける
  • いきなり触らない
  • 猫が嫌がることをしない
  • 隠れる場所を用意する

などです。飼い主さんが気をつけることでストレスは減らせます。愛猫がリラックスして過ごせるように、飼い主さんは気を配ってあげましょう。

まとめ

物陰からのぞく猫

猫が臆病になる4つの理由を解説しました。猫の臆病な性格は、厳しい野生を生き抜くために備わった性質であると同時に、その猫の個性でもあります。

臆病な性格を完全に治すのは難しいかもしれませんが、日々愛情を持って接することで、猫の方から歩み寄ってきてくれる日がくるはずです。もし臆病な猫と出会う機会があったら、猫の気持ちを優先して焦らず待ってあげてくださいね。

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