猫に危険な「みかん中毒症状」とは?主な症状や正しい対処法

猫に危険な「みかん中毒症状」とは?主な症状や正しい対処法

冬の代表的な果物である、みかん。寒い日はコタツに入りながらみかんを楽しむ方も多いはずです。しかし実は、みかんは猫にとっては有害な食べ物であり、場合によっては中毒症状を起こします。今回は、猫の「みかん中毒症状」について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

皮膚炎

猫の足とみかん

猫のみかん中毒の症状として、まず挙げられるのが皮膚炎。みかんに含まれるリモネンやソラレンが、猫にとって有害です。これらの成分が猫の皮膚に付着すると、炎症を引き起こすケースがあります。

ソラレンはみかんの皮に多く含まれている成分です。実の部分にはそれほど含まれていないため、誤食では中毒の原因になりにくいです。

一方で、猫がみかんの皮と接触する場合は注意が必要です。不用意に猫にみかんを乗せないように注意勧告する獣医師もいます。

また、リモネンも油断なりません。こちらはみかんの果実部分に含まれており、猫が誤食することで中毒を招きます。

また、リモネンそのものを配合した人間用シャンプーなどもあります。誤って猫のシャンプーとして使うことでも中毒の危険が発生します。猫にシャンプーする際は、必ず猫専用の商品を選びましょう。

元気消失

枝付きみかんと傍に座る三毛猫

猫がみかんによる中毒を起こした場合の症状として、元気消失もあります。正直なところ、元気消失は飼い主さんが異常に気付きにくい症状のひとつ。猫自身も体調不良を隠そうとするため、気付くのが遅れる可能性が高いです。

猫の元気消失に気付いてあげるためには、日頃から猫の様子を観察する習慣を身に付けることが大切です。猫がみかんに接触した、誤食した疑いがあるときは元気消失が起きていないか注意深く見守りましょう。

嘔吐、下痢

みかんに興味を示す子猫

嘔吐や下痢などの消化不良も、猫のみかん中毒による症状です。みかんを食べた疑いがあるとき、猫が嘔吐や下痢を行った際は早めに動物病院を受診しましょう。

猫は元々、吐きやすい体質の動物。毛玉を吐き出しているだけのこともあり、異常な場合との見分けが難しいです。注意したい嘔吐の兆候として、短時間で頻繁に吐く、吐き方が激しい、吐いた後に元気がなくなるなどがあります。吐き方がいつもと違うと感じたときは注意しましょう。

下痢に関しても何度も続く場合や嘔吐と併発している場合は、念のため動物病院に相談しましょう。

猫の「みかん中毒症状」が疑わしいときの対処法

動物病院に連れてこられた猫と診察する獣医師

万が一、飼い猫がみかんを食べてしまった、舐めてしまった場合、基本的には動物病院に相談されることをおすすめします。猫がどれだけみかんの成分を摂取すると中毒が発生するか、詳しいことは判明していません。一説では、個体差が大きいとも言われています。

そのため、猫のみかん中毒が疑わしいときは、かかりつけ獣医師に連絡し指示を仰ぎましょう。獣医師の判断によっては、できるだけ早く受診するよう伝えられるかもしれません。

注意したいのが、飼い主さんによる応急処置です。誤食したみかんを吐かせるなど、専門家以外が応急処置を行うと、逆に猫の身体を傷つける恐れがあります。

自分で何とかしようとはせず、速やかに動物病院に連れていきましょう。

まとめ

みかんと不機嫌そうな目つきの猫

みかんの成分は、生活の様々な場面に存在します。アロマオイルなどにも、みかんのリモネンは含まれているため、果実以外にも注意が必要です。

みかん成分は猫にとって有害です。猫を飼うときは、果実そのものを近づけないのはもちろん、みかん成分を含んだ物を生活環境に取り入れないよう心掛けましょう。

今回の記事を参考に、みかんの美味しい季節になっても、猫からみかんを遠ざけてあげてください。

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