愛猫の「血液型」にまつわる4つの話 愛猫の血液型の調べ方や知っておくと役に立つシーンなど

愛猫の「血液型」にまつわる4つの話 愛猫の血液型の調べ方や知っておくと役に立つシーンなど

猫の「血液型」は普段の生活であまり意識することはありませんが、愛猫が何型なのかを知っておいたほうがいい場合もあるのです。今回は、猫の「血液型」の種類や調べ方、知っておくメリットなど、猫の血液型にまつわる話をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.猫の「血液型」の種類

ソファから見つめる猫

猫の血液型は、人と同じように「A型」「B型」「AB型」の3種類が存在しますが、「O型」の血液型を持つ猫はいません。

全体的に見た猫の血液型の割合は、「A型」の猫が大半以上を占めていて、残りの「B型」と「AB型」の猫はごくわずかで珍しいとされるのが猫の血液型の特徴となっています。

猫の血液型は、赤血球の表面に存在する「抗原」の種類を基にして決まりますが、血液型がA型の猫はA抗原を持ち、B抗原を持っていません。逆にB型はA抗原を持たないとされています。

そのため、仮にB型の猫が輸血を必要とするときに、A型の血液を輸血してしまうと「抗体」という(抗原を認識して排除しようとする働き)で、体が拒絶反応を起こすのです。

AB型の猫は、AとBのどちらの抗原も持ち、抗体はないため、輸血のことを考えればとても貴重な存在となっています。

2.「血液型」によって猫の性格は変わる?

仲良し猫

人には血液型によって、その人の性格の特徴や傾向があるとされていますが、猫の場合どの血液型であったとしても性格に影響することはありません。

猫の性格もそれぞれ個性があり、好みや行動パターンなどは変わります。ですが、猫の性格を決めるのは、猫種の特徴や受け継がれた血縁の性格、猫が生活する環境などが大きく影響を与えています。人のように血液型別で性格診断をすることができないのは少し残念ですね。

3.猫の「血液型」の調べ方

子猫と獣医師

猫の血液型を判別するには、血液を採取して検査を行わなければわからないため、愛猫の血液型を知らない方はとても多いかと思います。

実際に調べる場合は、動物病院で猫の血液型を調べたいことを伝えます。そのとき血液型の判定キットが用意され、血液を採取する流れが一般的です。

猫の血液型が判明する時間は、当日中に分かることが多いですが、動物病院で判定ができない場合は、専門機関で調べるので数日かかります。猫の血液型検査の費用は、一般的に5千円~7千円かかることがほとんどです。

4.愛猫の血液型を知っておくメリット

猫とハート

猫の血液型を知っておくメリットには、血液の輸血をスムーズに行えることが挙げられます。

例えば、A型の猫はA型とAB型からの輸血を受けることができますが、B型は適合しません。

もしも愛猫が大きな病気やケガをした場合、または他の猫が危険にさらされているときは、命に関わるため一刻も早い輸血が必要です。その際、適合検査はありますが、猫の血液型を事前に知っておくことで、全く分からない場合よりもスピーディーに輸血を受けたり提供したりすることができるようになります。

猫に輸血することは、緊急のときがほとんどですが、猫の献血でドナーを募っているケースもあります。献血するのに「持病がない」ことや「ワクチン接種済み」などの条件をいくつか満たす必要はあるものの、血液型が事前に判明していればドナー協力に一歩進むこともできそうですね。

まとめ

注射される子猫

愛猫の血液型を動物病院で調べるには、検査費用がかかります。普段の生活の中で「猫の血液型を知らなくても困らないのではないか?」と思う方も少なくないかもしれません。

しかし猫と一緒に暮らしていると、「まさか?!」と思うような出来事がたくさんあります。そのようなときに愛猫の血液型を事前に知っていれば、猫の寿命を左右する重要な時に役立てることができます。

今後に起こり得る可能性と必要性にスムーズに対応するために、猫の血液型について考えておきたいですね。

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