1.咳
猫の喘息のおもな症状として咳が見られます。1分以上にわたって咳き込む、断続的に咳を繰り返す、2ヵ月以上にわたる慢性的な咳が見られるときは喘息が疑われます。
猫が咳をするときは、頭を低くして首を伸ばし軽く舌を突き出した体勢で「ズーズー」「ゲッゲッ」「ケッケッ」という音を出します。一見すると咳をしているようには見えず、嘔吐と勘違いされることも多いようです。人間のように「ゲホゲホ」「コンコン」という咳はしません。
咳なのか判断ができない場合は、動画に撮って獣医師に見てもらうのが確実です。
2.喘鳴
喘息の発作時に咳と同時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音がするのが特徴です。気管支に炎症がおきて、気道が狭くなるために引き起こされる症状で「喘鳴(ぜんめい)」と言います。
喘鳴の症状はほとんどは一時的で、発作が治まれば落ちつきますが、重度になると命にかかわる場合もあります。猫が咳き込んで苦しそうに呼吸をしているときは、呼吸に合わせてゼーゼー、ヒューヒューという音がしないか注意深く観察してください。
少しでも気になる症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
3.呼吸の回数が増える
喘息が重症化すると肺や気管などの機能が衰えることで呼吸の回数が増えます。猫にとっては苦しい状況でしょう。また疲れやすくなるため、遊ばなくなる、動くのが億劫そうといった様子も見られるようになります。
正常な猫の呼吸数は1分あたり20〜40回程度です。睡眠中は15〜25回程度とされています。これよりも呼吸回数があきらかに多い場合はなんらかの異常を疑います。
呼吸数の数え方は、胸が上下するのを1回として1分間に何回呼吸をしているかを数えます。もしくは、15秒間の呼吸数を4倍にして目安を出しても良いでしょう。
興奮時や精神的な影響を受けて変動する場合もあるので、できれば寝ているときの安静時の呼吸を指標にすると、病的な変化をとらえやすいです。
4.チアノーゼ・呼吸困難
通常猫は鼻呼吸ですが、呼吸が苦しくなると口を開けて「ハァハァ」と犬のように呼吸をすることがあります。喘息の発作で呼吸が上手くできなくなり、呼吸困難に陥っている可能性があります。口の粘膜や舌が紫色になっている場合はチアノーゼの典型的な症状です。
チアノーゼにまで陥ると致命的な可能性が高まるため、すぐに処置をする必要性があるでしょう。喘息における呼吸困難は命にかかわりますので、早急に動物病院を受診する必要があります。
猫の喘息ではどんな治療をするの?
喘息の原因は様々なものが考えられます。喘息の症状が抑えられている状況では、発作が起きないように抗炎症剤と気管支拡張剤を定期的に服用します。喘息の重症度に応じて、投薬の頻度が異なりますので、獣医師の指示に従って投薬しましょう。基本的には飲み薬が処方されますが、状況に応じて吸入を使用する場合もあります。
また治療と同時に発作を予防することも大切です。喘息の原因は様々とされています。アレルギーも考えられる原因の一つとされていますが、その場合アレルゲンとなっている物質を吸引しないように排除、こまめな換気を心がけましょう。空気清浄機の使用もおすすめです。
まとめ
猫の喘息のおもな症状は「咳」です。ただしはじめて咳をしている猫を見ても、咳だと気づくのは難しいかもしれません。動画サイトでは咳をしている猫の様子を見ることができますので、機会があれば確認しておくと良いでしょう。
喘息は早期発見、早期治療で症状をコントロールできれば、普通の生活を送ることも可能な病気です。「おかしいな」と感じることがあれば、早めに動物病院を受診し早期治療につなげましょう。