1.スキンシップ
猫の幸福度を高める方法のひとつにスキンシップがあります。
仲の良い猫同士が、お互いにグルーミングすることで関係性を確認し合うように、スキンシップは猫との絆を深める効果があります。
触られるのが好きな子は、近くにきたときに背中などを撫でるだけでも猫は安心感を覚えます。また、ブラッシングやマッサージは、猫にリラックスした時間を与えるだけでなく健康管理にも役立つでしょう。
もちろん中には抱っこが嫌いな猫や、触られることを好まない部位もありますので、無理強いせず猫の好みにあわせたスキンシップを続けましょう。
2.たくさん話しかける
言葉が通じないからと無言のままで猫と接するのは良くありません。
人間は猫から見れば、長いヒゲもしっぽもない「ボディランゲージをしない猫」のようなもの。そこに鳴き声(話し声)もなければ、猫は飼い主が何を考えているのかわからずに不安になってしまいます。
猫を幸せにできる人たちは、積極的に猫に話しかけることを大切にしています。猫は飼い主の声に敏感で、自分の名前をはじめ、80語ほどの言葉も聞き分けられるといわれています。
猫に話しかけることで、コミュニケーションをしている意図を伝え、緊張をほぐす手助けにもなります。たくさんお話ししましょう。
3.狩猟本能を満たす遊び
野生下の猫は獲物を捕ることが生きること・食べることに直結しているため、狩猟本能の充足が幸福感に密接に関連しています。これは家で飼われている猫も変わりはありません。狩猟本能を満たせるような遊びをしてあげましょう。
短時間でもいいので、猫じゃらしや羽根のついたおもちゃを使って遊びましょう。紙袋などを使ってカサカサと獲物を演出すれば、猫との遊びも盛り上がります。
ふだんはなかなか忙しくて遊んであげられない場合には、すぐにみつけられるような場所におやつを隠しておく遊びも猫にとって狩猟行動を模倣できます。おやつを発見したとき、猫は幸せな気分になるでしょう。
猫にとって狩猟本能を満たすことは、栄養のある食事を摂るのと同じくらい大切なのです。
4.褒めて育てる
独立心の強い猫は、自分の意志や考えに基づいて行動しています。猫との関係を大切に考える場合、猫のプライドを傷つけるような行為は好ましくありません。
猫が好ましくない行動をとったときも、叱り方にはコツが必要です。たとえば、キッチンや食卓にのぼったり、遊んでいて噛みついてきたりした場合、まずは無言でやめさせます。その上で「やめたこと」をたくさん褒めることが大切です。ついつい「ダメ!」と言ってしまいがちですが、ぐっと堪えましょう。
この方法は猫のポジティブな経験を積み重ねられるため、飼い主に対する評価も上がり、よりよい関係を築く要因のひとつとなるのです。
5.自分と猫の「ちょうどいい幸せ」を考えながら行動する
愛猫を幸せにできる人は、常に自分と猫の幸せのバランスを考えながら接しています。
記念日などに愛猫にかわいい服を着せて写真を撮れば、楽しい思い出にもなります。しかし、服に慣れていない猫が嫌がっているのに、そのままでいるのはすこし考えものです。
一方で、手術後の傷口保護や舐め壊し防止、シニア猫の防寒服などは猫の健康を守るためで、出来る限り着用させておくほうが安全なことが多いのです。
猫を飼っていると、通院や投薬など猫のQOL(※)につながることを無視することはできません。どこまでやるか、どのようにやったらよいか、できるだけ嫌がらない方法を模索することも必要です。
一般的にこのような行動の多くは、飼い主と愛猫との関係以外に100%の正解はありません。この行動は誰のためなのか、必要かどうか、愛猫とよく話し合って決めていきましょう。
※QOL=Quality Of Life(クオリティオブライフ)とは「生活の質」のことを指し、心と体を総合した生活の満足度を基準とします。
まとめ
猫が暮らす環境とは、飼い主も含めたテリトリー内すべてが要因となります。そして、猫は環境の良し悪しをとても重要視します。生活環境を整えて、猫に快適な暮らしを送ってもらうことは、飼い主としての責務であるといえるでしょう。
さらに猫を幸せにするためには、家族としてのスキンシップやお話を大切にすること、遊びやしつけにも猫が持つ習性を尊重することです。
猫が幸せを感じているときは、ほかの猫や動物にも比較的友好的に接触する傾向にあります。これは飼い主に対しても同様です。
猫には個体差がありますので、じっくり愛猫と向き合ってみてください。猫が喜ぶことをより多くすることによって、結果的に猫を幸せにできることでしょう。