猫の「毛球症」考えられる2つの原因 なってしまったときの症状や予防法も解説

猫の「毛球症」考えられる2つの原因 なってしまったときの症状や予防法も解説

「毛球症」は、猫が自分の抜け毛によって消化器系のトラブルを起こしてしまうことを言います。そこで今回は、猫が「毛球症」になってしまう場合に考えられる原因を、なってしまったときの症状や予防法と合わせてご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.グルーミング

窓辺でグルーミングする猫

猫はきれい好きで、自分で頻繁にグルーミングと呼ばれる毛づくろいをしています。

しかし、グルーミングで舐め取った毛は、飲み込んでしまうことがほとんど。体内に入った毛は消化されません。

たとえ飲み込んでしまっても、多くは毛球を吐き出したり、便と一緒に排出されるのですが、飲み込んだ毛の量が多いと、消化管内に留まってしまうことがあります。

飲み込んだ毛と毛が絡まり合って毛球になり、やがて大きくなると消化器系にトラブルを起こすことになるのです。さらに毛球が腸で詰まってしまうと腸閉塞を起こすこともあり、非常に危険です。

2.ブラッシング不足

猫にブラッシングをする人の手

猫は自分で、あるいは猫同士でも舐め合ってグルーミングしますが、飼い主もブラッシングをしてあげる必要があります。そうしないと、大量の抜け毛を飲み込んでしまうことになるからです。

特に被毛が生え変わる換毛期や長毛種の猫では、定期的にブラッシングをしてあげることが大切です。

毛球症の症状は?

猫と抜け毛

体内の毛球が小さければ、毛球症の症状は出ないことがほとんどです。

しかし毛球が大きくなってくると、頻繁な嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状がみられるようになり、猫の元気がなくなります。

胃から移動した毛球が小腸で詰まってしまうと、腸閉塞を起こすことがあります。腸閉塞になると激しい嘔吐や腹痛などの症状が現れ、進行すると命に関わることもあるので注意が必要です。

毛球症を予防するには?

猫とブラシ

毛球症の一番の予防法は、猫がグルーミングをする際に、大量に抜け毛を飲み込んでしまわないようにすることです。

そのためには、猫専用のブラシを使って、飼い主がこまめにブラッシングし、余分な毛を取り除いてあげましょう。特に長毛種の場合は、毎日のブラッシングが必要です。

また、『毛球ケア』と明記されたフードを与えることも、毛球の排出を助けてくれる予防策のひとつです。さらには、毛球の排出を促すサプリメントを利用するのもいいでしょう。また、猫草も効果があると言われています。

猫はストレスを抱えていると、必要以上にグルーミングしてしまうことがあります。それも大量に毛球を飲み込む原因になるため、まずは愛猫にストレスがかからないよう気をつけましょう。

まとめ

グルーミングする猫

猫のグルーミングは、体を清潔に保つ以外にも、体温調節や気持ちを落ち着かせるなどの効果があるため、やめさせるわけにはいきませんね。

そのため、どうしても舐め取った毛を飲み込んでしまうことになります。

猫が「毛球症」を起こす前にこまめにブラッシングをして、大量の毛を飲み込むことがないよう気をつけましょう。

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