猫のヘアボール対策、飼い主さんがやるべき3つのこと 吐き戻しを軽減するために

猫のヘアボール対策、飼い主さんがやるべき3つのこと 吐き戻しを軽減するために

猫がヘアボールを吐き戻してしまうことで悩んでいる飼い主さんは多いのではないでしょうか。少しでも吐き戻しを軽減させられるよう、ヘアボールの原因を踏まえた吐き戻し対策を3つご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

ヘアボールを吐き戻してしまう原因とは?

吐く猫

猫は身だしなみを整えたり体についたニオイを消したりするためにグルーミングを行いますが、抜けた毛が舌にくっついて飲み込んでいることがあります。

被毛は消化できないので胃の中に溜まっていき、大抵はウンチと一緒に体の外に排泄されますが、飲み込んだ毛の量が多かった場合などには吐き戻してしまうことも。

健康な猫でも数週間〜数ヵ月おきに吐き戻す場合がありますが、1日に何度も吐き戻してしまったり換毛期ではないのに頻繁に吐く場合は病院を受診してください。

一方でヘアボールがお腹の中に溜まったままうまく排出できないと、食欲不振や便秘、頻繁な嘔吐といった「毛球症」の症状が表れます。

最悪の場合には腸を塞いでしまう「腸閉塞」を引き起こしてしまうリスクもあるので、日頃からヘアボール対策をしっかり行うことが大切です。

対策1.定期的にブラッシングやシャンプーを行う

ブラッシングされる猫

ブラッシングやシャンプーを定期的に行うことで猫が飲み込む毛の量を減らしましょう。

ブラッシング頻度は短毛種で週3回程度、長毛種は1日1回が目安です。換毛期(3月と11月)は特に抜け毛が増えるので短毛種は1日1回、長毛種は1日2回ほどに増やすと良いでしょう。

長時間のブラッシングは猫に負担をかけてしまうので、1回につき3〜5分程度の短時間に留めるのをおすすめします。

シャンプーの場合は必要以上に洗いすぎると皮膚トラブルの原因になり、グルーミングが増えてしまう可能性があるので、短毛種の場合で換毛期に合わせて年1〜2回程度、長毛種で月1回程度を目安に行いましょう。

対策2.ストレスが溜まっていないか確認する

毛づくろいをする猫

グルーミングは不安や緊張を感じる時に気持ちを落ち着かせる役割も担っています。

猫がストレスを溜め続けてしまうと、グルーミングが増えてヘアボールの原因となるばかりか、同じところを何度も舐めて皮膚炎や脱毛のリスクまで生じる可能性があるので注意が必要です。

ストレスの主な原因には、

  • 環境の変化(引っ越しや模様替え)
  • 運動不足
  • トイレが汚れている
  • 飼い主が構いすぎている
  • 新たに猫を保護した

などがあります。

快適に落ち着いて生活できる環境になっているか、上下運動などで猫が体を動かす機会を作れているか、スキンシップをしすぎていないかなどをチェックして、猫がストレスを溜めない対策を取りましょう。

対策3.ヘアボールを排出しやすくするフードに変える

ご飯を食べる猫

抜け毛を飲み込んでしまってもうんちと一緒に体の外へ出しやすくするために、日頃から与えるご飯をヘアボールケア用のものに変えてみるのも手です。

食物繊維や乳酸菌を多く含むフードで、お腹の中にできた毛玉を絡め取って排出しやすくしてくれます。水分が豊富なウエットフードをミックスして与えるのも吐き戻しの軽減に役立つでしょう。

ドライフードの切り替えは、猫の体に負担をかけないように1週間〜10日ほどかけて徐々に行ってください。

まとめ

毛づくろいする猫

猫が苦しそうにヘアボールを吐き戻す姿は見ていられないですよね。

猫の吐き戻しは完全に無くすことはできませんが、グルーミング時に飲み込む毛の量を減らす、ストレスを減らして過剰なグルーミングを防ぐ、食事でヘアボールの排出をサポートするなどの方法を実践することで少しでも吐き戻しの軽減につなげられるでしょう。

ヘアボールが元で健康を害してしまう場合もありますので、日頃から愛猫の様子をよく観察して必要に応じた対策を行ってくださいね。

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