愛猫を動物病院に連れていく前に準備するべき3つのこと スムーズな診察・治療のために

愛猫を動物病院に連れていく前に準備するべき3つのこと スムーズな診察・治療のために

猫を飼っていると「吐いてしまった」「おなかを壊した」など思わぬトラブルで、動物病院のお世話になることがあります。ところが猫は病院が苦手。できるだけスムーズに診てもらいたいものですね。この記事では、動物病院に行く前に準備するべきことを紹介しています。あらかじめわかっているときっと役に立ちます。ぜひ最後までご覧ください。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.症状を記録しておく

キャリーから覗く猫

猫は体調の悪さをうまく隠すことがあります。『なんだか苦しそうにしている』『歩き方がいつもよりおかしい』などの不調で動物病院を受診しても、診察室ではその症状がみられないこともあります。

病院でできるだけくわしく伝えるためにも、事前に症状の経緯を記録しておきましょう。情報が正確なほど診断の助けになります。

具体的には、

  • どのような異常か
  • いつから症状があるか
  • 症状が出るのはどんなときか
  • 食欲や排せつの状態
  • 生活環境関連(ストレスの要因や同居ペットなど)

できれば、症状が出ていることが具体的にわかる動画を撮影しておくと良いでしょう。実際の動画は、明確な情報なので先生も状態を把握しやすくなります。

また、あらかじめ聞いておきたい質問は、忘れないようにメモしておきましょう。

忘れがちなのは、次回の診察の目安を聞いておくことです。症状が治まったらおうちで様子を見ていてもいいのか、定期的に再診を受ける必要があるのかなどは、飼い主がしっかりと把握しておく必要があります。聞くのを忘れないように質問メモに書いておきましょう。

2.診断に必要なものを採取しておく

ダンボールと猫

病気で猫を動物病院へ連れて行く際には、前述した動画やメモなどのほかに、検査のためのサンプルがあるとよいでしょう。

  • 嘔吐した→嘔吐物(写真でもいい)
  • 排せつ行動の異常、血尿→新鮮尿(より新鮮なものが望ましい。半日程度であれば可)
  • 尿量が多い、うすい→朝一番の尿
  • おなかを壊した→新鮮便(より最新なものが望ましい。半日程度であれば可)
  • 誤飲した→食べたものの残り、形やサイズなどがわかるもの

これらは採取できないこともあるので、絶対ではありませんが、できるだけあったほうが正しい診断の助けになるものです。

誤飲した際に、猫が飲み込んだものを自宅で吐かせるのはとても危険です。無理に対処せずそのまま病院へ連れて行きましょう。また、尿や便も採取できなかった場合は出るのを待たず、病院へ行くことを優先して大丈夫です。病院でも採尿・採便は可能です。

3.猫を連れて行く動物病院のことを調べておく

聴診器と時計

愛猫を連れて行く予定の病院のことは事前に調べておきましょう。いざというときに安心です。

診療時間

病院の休診日はもちろん、診療時間も確認しておきましょう。お昼の12時〜16時くらいまでは、手術や診療準備などのためにいったん病院を閉めているところが多く、その間に行っても午後からの診療を待つことになります。また、夜や休診日など時間外は、地域の夜間救急病院の対応になるので注意しましょう。

予約の必要性

予約が必要かどうか、病院のホームページなどで調べておきましょう。予約制の病院では、飛び込みで来院した場合は診察まで時間がかかることがあります。もちろん、急患であれば多くの病院は受け入れてくれますが、予約したほうが、長時間待たされる不安や愛猫の疲労感は軽減されるでしょう。

費用

診察や治療にかかる費用は、不安の要因となることがあります動物病院の費用は自由診療で、料金も病院ごとに違います。実際には症状を診察した上で料金が決まりますが、あらかじめだいたいの料金や支払い方法を調べておくと安心です。電話で確認することも可能です。

アクセス

猫を病院へ連れて行くときには、愛猫が入ったキャリーバッグを持って移動しますから「どのような交通手段」で「どれくらい時間がかかるか」は、通いやすさに大きく影響します。ふだん通う病院は、できるだけ自宅からアクセスしやすいところを選択するほうがよいでしょう。

病院でできること

街の中にある動物病院は、内科、歯科、眼科など科を限定せず、すべて診てくれる一次診療です。獣医師の知識や経験などから得意分野を掲げている場合もありますが、そこでは治すのが難しい病気や設備などの関係で詳しい検査ができないこともあります。一次診療の動物病院では、できることとできないことがあるということに留意しておきましょう。先生の判断で、専門的な対応ができる病院へ回してくれることがあります。

まとめ

キャリーバッグに入れられた猫

猫を動物病院に連れて行くと考えただけで、多くの飼い主が抵抗感を持ってしまうものです。病気やケガも心配ですし、猫をキャリーに入れるのも大変です。行き慣れない動物病院はわからないことが多いので、より一層不安になってしまうかもしれません。

しかし、今回紹介したことを準備しておくだけでも、すこしだけ心が軽くなるのではないでしょうか。

猫ちゃんの症状も病院の事情もそれぞれです。何より大切なのは、愛猫の健康問題をスムーズに診てもらうことです。もし、わからないことがあるときには、ためらわずに病院スタッフに質問してみると安心できるでしょう。

トラブルによってはより緊急性がある場合もあり、いかに早く受診につなげられるかということが、命を救うことに直結する場合もあります。あらかじめ、受診時のシミュレーションをしておくと安心です。

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