実は猫に「パン」は厳禁!危険と言われる4つの理由と誤食した場合の対処法も

実は猫に「パン」は厳禁!危険と言われる4つの理由と誤食した場合の対処法も

パンは人間にとって主食のひとつですが、猫に与えるのは危険な可能性があります。飼い主さんがパンを食べている時に、愛猫に「ちょうだい!」とおねだりされても断らなくてはなりません…。猫にパンが厳禁な理由や、誤食してしまった場合の対処法をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫がパンを食べると危険な理由

色々なパン

1.消化不良を引き起こすリスクがある

猫は肉食動物なので、炭水化物を消化することが苦手な体質をしています。炭水化物の一種であるパンを大量に食べると、消化不良を引き起こしてお腹の調子が悪くなってしまうかもしれません。

猫のお腹に優しいのは良質なタンパク質です。愛猫にはわざわざお腹の負担になるパンを与えるのではなく、美味しくて消化もスムーズにできる良質なお肉やお魚を食べさせてあげることをおすすめします。

2.食物アレルギーのリスクがある

パンの主原料である小麦は、猫にとって食物アレルギーのリスクが高い食材です。

愛猫が小麦アレルギーの場合は、パンを食べることで下痢や嘔吐、皮膚の痒みといったアレルギー症状が出てしまいます。重度のアレルギーの場合は、一口食べるだけで症状が出てしまうかもしれないので要注意です。

3.塩分・糖分・脂肪分の過剰摂取により健康に悪影響が出る

パンには塩や砂糖、バターが含まれており、猫が食べると塩分・糖分・脂肪分の過剰摂取につながります。猫が塩分を過剰摂取すると心臓や腎臓の負担になりますし、糖分や脂肪分は肥満の原因になるので注意が必要です。パンを日常的に与えていると、心臓病や糖尿病などの病気のリスクが高くなってしまいます。

「毎日ではなく、時々なら与えても過剰摂取にならないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし一度パンを与えてしまうと、猫は「パンはおねだりすればもらえるんだ!」と学習して、いつでもパンを欲しがるようになるものです。

パンを欲しがる癖をつけないためにも、愛猫にはパンの美味しさを教えないほうがよいでしょう。

4.猫にとって有害な食材が使用されていることがある

食パンのようなプレーンなパン以上に危険なのが、菓子パンや総菜パンなどのトッピングや味がついているパンです。パンのトッピングや風味には、猫にとって有害な食材が使用されている場合が少なくありません。

チョコレートやネギ類、レーズンなどが含まれたパンを猫が食べると、中毒症状を引き起こすリスクが高いので注意してください。

食べ物による中毒症状で猫が命を落としてしまう可能性もあるため、「少しくらいなら大丈夫だろう」と軽く考えないようにしましょう。

猫がパンを誤食した場合の対処法

クロワッサンと子猫

猫にパンを与えないようにしていても、愛猫が飼い主さんのパンを盗み食いするなどのハプニングが起こってしまうことがあります。万が一、愛猫がパンを誤食してしまった場合、まずはどのようなパンをどのくらい食べてしまったのかを確認してください。

プレーンなパンを少量食べてしまった程度なら、体調に問題が出ない可能性も十分にあるので、しばらく様子を見ていいでしょう。

猫に有害な食材が含まれたパンを食べてしまった場合や、大量のパンを食べてしまった場合、何らかの症状が出ている場合には動物病院で診察を受けてください。

誤食したパンを無理に吐き出させようとすると、かえって猫の健康を害してしまうのでNGです。処置は獣医さんに任せましょう。

まとめ

テーブルの上の猫とパン

パンは人間にとって馴染み深い食べ物ですが、猫にとっては危険な可能性があります。美味しいパンを食べている時に、「愛猫にも食べさせてあげたい」と思うこともあるでしょう。また愛猫に「ちょうだい♡」と可愛くおねだりされると「ダメ」と断るのは辛いものです。

しかし猫にはパンを食べる喜びよりも、パンを食べることによるリスクの方が大きいということを理解して、たとえ愛猫が欲しがってもパンは与えないようにしてくださいね。

またパンは愛猫の手の届かない場所に保存したり、テーブルの上に食べかけのパンを放置しないように気をつけたり、盗み食いを防ぐ対策をすることも大切ですよ。

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