愛猫にも飼い主にもうつる「人獣共通感染症」危険度の高い3つの病気と予防法

愛猫にも飼い主にもうつる「人獣共通感染症」危険度の高い3つの病気と予防法

猫にも人にも感染してしまう病気「人獣共通感染症」。万が一感染してしまった場合に重症化する病気もあるため、予防のための対策が非常に大切です。本記事では、危険度の高い3つの病気と予防法について解説しています。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.狂犬病

水を飲む猫

狂犬病は名前のイメージから犬だけがかかる病気と思われがちですが、実は猫にも人にも感染例のある病気で、すべての哺乳類が感染します。

狂犬病ウイルスを持った動物に噛まれたりひっかかれたりして、傷口からウイルスが侵入してしまうことで感染。発症したらほぼ100%死んでしまうと言われるとても危険な病気なのです。

狂犬病に感染すると約1〜3ヵ月程度の潜伏期間を経てから症状が出始め、発熱などの風邪のようなものや、攻撃的になる・異常な行動を起こすなどの変化が見られます。

猫と人に共通して「水を怖がる」という傾向があるのも狂犬病の特徴の1つです。

日本国内では1957年を最後に発症例はないものの、海外渡航により持ち込まれ日本で発症したケースが過去に数例あります。

東南アジアやアフリカ諸国など感染のリスクがある国へ行く前には必ず狂犬病ワクチンを打ちましょう。人だけでなく猫も同様です。

2.トキソプラズマ症

猫の排泄物を片付ける

トキソプラズマ症は、「トキソプラズマ」という寄生虫が感染源の病気です。

トキソプラズマが寄生している豚、牛、鶏の肉を加熱が不十分なまま食べたり、トキソプラズマの卵に汚染されてから24時間以上経っている猫の糞便に触れたりすることで感染します。

発熱や倦怠感、リンパの腫れなど風邪のような症状が見られますが、健康な人や成猫では症状が出ない場合が多いです。

一方で、妊娠中の人が感染していると流産や死産の可能性があるほか、まれにお腹の中の赤ちゃんに水頭症や小眼球症などの先天的な症状が出ることもあります。

猫が感染し重症化すると、妊娠中であれば流産や死産の危険が、子猫の場合は下痢、嘔吐、ぶどう膜炎などの症状が出る可能性があるのでしっかりとした予防が大切です。

トキソプラズマ症にならないために、

  • 猫の糞便は24時間以内に片付ける
  • 素手で糞便を触らない
  • 肉は十分に加熱
  • 土や砂を触ったらよく手を洗う

といった予防を日頃から徹底しましょう。

3.猫ひっかき病

子猫に噛まれる

その名の通り猫にひっかかれたり噛まれたりすることで、傷口に猫が口の中や爪に持っている「バルトネラ菌」が侵入して感染する病気です。ノミを介して感染するケースもあります。

猫ひっかき病に猫が感染した場合は症状が出ないケースが多いのですが、人が感染すると怪我をした約3〜10日後に傷の部分に腫れや水疱ができ、リンパの腫れや発熱、頭痛、悪寒などの症状が出て数週間〜数ヵ月ほど続きます。

健康な人であれば自然に治ることが多い病気ですが、免疫力が落ちている人や抵抗力の低い子供・高齢者などはリンパの腫れのあとに痙攣の発作や脳症などを併発する可能性も。

猫ひっかき病の予防のためには、

  • 猫の爪切りを定期的に行う
  • 猫に触った後は手を洗う
  • 怪我をしたらよく消毒する
  • 定期的にノミの駆除をする

といった対策が有効です。

まとめ

聴診器を当てられる猫

猫にも飼い主にもうつってしまう「人獣共通感染症」は、ウイルス・細菌・寄生虫などさまざな原因によって感染します。

中には重症化すると死に至る危険な病気もありますので、感染の原因や感染後の症状などの情報を把握しておくに越したことはありません。

感染のリスクを最小限に抑えて愛猫・飼い主ともに健康を守れるよう、猫は完全室内飼いにした上で今回紹介した予防策を徹底して行いましょう。

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