洪水で家が壊れ、飼い猫が行方不明に
ここは米国アラスカ州ジュノー。ともに教師のElizabeth WilkinsさんとパートナーのTom Schwartzさんは、ことし8月5日に発生した洪水で、借りていた家が完全に流れ落ちる被害にあいました。すぐそばのメンデンホール川があふれたためです。氷河が溶けて急激に増水したことによる氾濫でした。
しかもこの洪水で、愛猫Leoが行方不明になってしまいました。何ということでしょう。
2人はこの氾濫が起こる直前に引っ越してきたばかりでした。当日はオレゴン州ベンドへ自転車旅行をしていたため、自宅を留守にしていたのです。友人たちの電話やビデオ連絡で「家が危ない」ことを初めて知ったといいます。
3日後に2人は自宅のあった場所に戻り、Leoの捜索を始めました。家のあった跡に戻って名前を呼んだり、鶏小屋に餌を置いたりして努力を続けました。
話を聞いた地域の人々も、猫探しに協力してくれました。あちこちで「似た猫を見かけた」という情報が寄せられましたが、この周辺には野良のブチ猫が多いので、Elizabethさんには今ひとつ確信が持てません。
必死の捜索を続けた結果
やがて願いはかないました。洪水発生から26日後、地元のFacebookグループページに、ブチ猫の写真が投稿されたのです。これを見てすぐにLeoだとわかったElizabethさんは、さっそくかけつけました。
「名前を呼びながら通りを歩いていくと、レオが走り寄ってきました。『ねえ、ママ。僕はここだよ。一体どこに行ってたの?』みたいな、とぼけた表情をしていましたね。少しやせていましたが、元気でした。友人の家に戻ってツナ缶を4つも平らげると、すぐに外に出て行ってネズミを捕まえていましたね。きっとネズミを食べて生き延びたのでしょう」
2人は洪水で所持品を何もかも失ってしまいましたが、Leoだけは生きていてほしいと願っていました。
「Leoはすごく賢いので、きっとどこかに逃げ延びて元気にしていると確信していました」とElizabethさんはいいます。2020年、当時子猫だったLeoがコロナにかかって弱っていたところを、2人が保護して家族に迎えました。運の強い猫なのです。
生活の再建をめざして
2人はいま、新居を探しているところです。それまでは、Leoは友人の家で暮らします。
「無事に戻って来てくれて、すごくうれしいです。地域のだれもが熱心に探してくれて、本当にありがたかったです。大変な1ヵ月だったけれど、最高に幸せなニュースになりました」と彼女。
ところで、2人の家から流れ出た品物も、次々と見つかっているそうです。
「地域のみなさんが見つけてくれた、わたしたちの服や絵画などが届けられてきています。なかには、だれかの中庭ですっかり泥に埋まった状態で発見されたものもあるのです」とElizabethさん。
生活の再建が進み、2人とLeoが1日も早く一緒に暮らせるようになるといいですね。
出典:Alaska couple reunited with cat 26 days after home collapsed into swollen river