1.生まれつきの性格によるもの
猫の中にも、甘えるタイプの性格もいれば単独行動を好む猫もいます。猫の性格は猫種や遺伝の要素もありますが、子猫時代の環境も大きく影響します。
猫の性格のベースが決まるのは生後約2カ月~9カ月頃。この時期に人間に対して警戒心をもたなければ、比較的ほがらかな性格になると考えられています。
しかし中には、「粘着質」とも思えるほどの極端な甘えん坊になる場合もあります。
その原因のひとつとしてあげられるのが、猫の方から甘えてきたタイミングで、飼い主さんが100%相手をしてしまうことです。自分が甘えたときに必ず満足のいく対応してくれると、依存が強い猫はどんどんエスカレートしてしまいます。逆に甘えられないことがストレスとなり、粘着質化する傾向があります。
これは、甘えることでその他の要求が叶うと思わせてしまうことも同様です。そのため、猫が甘えてきても、メリハリを大切にすることが大切です。時には甘えさせて、時にはスルーして、人間のペースで相手をするのがおすすめです。
2.生活ペースの変化
引っ越しで住まいが変わったときや、飼い主さんの転職や働き方の変化によっても、猫が「粘着質」になることがあります。
たとえば、それまで長時間、留守番することが当たり前だったのに、リモートワークで飼い主さんが自宅にいることが増えたとします。すると猫によっては、飼い主さんが一緒に居てくれることに安堵感をおぼえ、飼い主さんにぴったりとくっついて離れなくなることがあります。
また、リモートワークのときは猫に変化がなかったものの、在宅が解除された後に粘着質になってしまったという猫もいます。長時間留守番するという元の生活に順応できず、離れられなくなるというわけですね。
飼い主さんの注意点としては、リモートワークだからといって愛猫とベタベタしすぎないこと。たとえば自分の仕事場に猫を入れるときは時間制にするなど、愛猫と離れる時間をもうけるとよいでしょう。
3.多頭飼いの成功と失敗
「うちの猫は甘えん坊だから……」と、多頭飼いに踏み切る人も多いはずです。しかし、愛猫の寂しさを紛らわせるためでも、逆に、新しい猫の存在が原因で、先住猫の「粘着質」に拍車がかかってしまう場合もあります。
猫が粘着質になってしまうのは、嫉妬やストレスが原因になる場合もあるため、もし多頭飼いをするときは何をするにも先住猫を最優先させましょう。ご飯も抱っこも撫でるのも、先住猫が一番であることをわかるようにしてあげるとよいでしょう。
ちなみに、多頭飼いそのものは、基本的には粘着質の対策としては有効です。相性がよければ、遊び相手になったり、毛繕いをしあったり、一緒に寝たり、とても良い関係が築けます。
ただし、全ての猫同士の仲が良くなるわけではないので要注意です。多頭飼いをする場合は、先住猫の性格をしっかりと把握したうえで、新しい猫を迎え入れることをおすすめします。
まとめ
愛猫が「粘着質」になるのは、ストレスや嫉妬などが原因としてあげられます。愛猫を粘着質にしないためにも、猫の要求にはほどほどに、過剰な甘やかしは避け、最低限の距離感をもつのがおすすめです。
そのうえで、一緒に遊んであげたり、甘えさせてあげたりすれば、猫は粗雑にあつかわれているとは感じません。また猫が暮らしやすいようにお部屋の模様替えをしたり、キャットタワーを新調したりするのもおすすめです。
愛猫が日々の生活の中でストレスを溜めずに、適度にリフレッシュできるようにお手伝いしてあげましょう。