猫に「砂糖」はNG?危険だと言われる3つの理由と、万が一のときの対処法

猫に「砂糖」はNG?危険だと言われる3つの理由と、万が一のときの対処法

猫が口にすると危険な食べ物はたくさんありますよね。実は、砂糖もその一つであることをご存知でしたか?人間にとっては欠かすことのできない調味料でもある砂糖ですが、なぜ猫には危険と言われているのでしょうか。その理由について解説いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.猫は甘みを感じない

ペロッと舌を出す猫

少し意外な気もしますが、猫は砂糖などの甘みを感じられないと言われています。

猫は、人間や犬と比べて味覚をつかさどる器官である「味蕾(みらい)」の数が少ないことがわかっています。猫が感じ取れるのは「酸味」「塩味」「苦味」の三種類で、甘みを感知する器官は存在しないとされています。

飼い主さんが甘いものを食べているときにおねだりする猫は、物珍しさや単なる興味本位で近付いているだけかもしれません。

砂糖が美味しいと理解しているわけではないので、あえて体に良くない砂糖を与える必要はないと言えます。

2.肥満の原因になる

横たわるぽっちゃり猫

猫が砂糖を摂りすぎてしまうと肥満の原因になります。

これは猫だけではなく、私たち人間も同じことが言えますよね。

ぽっちゃりとした猫は愛嬌があって可愛らしいですが、肥満になるとさまざまな病気のリスクが高くなってしまいます。

「ごく少量の砂糖をペロッと舐めてしまった」という程度なら問題ないと言われています。

とはいえ、砂糖を摂取することにメリットはほとんどありませんので、砂糖を舐めることが習慣化しないように注意が必要です。

3.砂糖は糖尿病の原因になる

生クリームに興味を持つ猫

猫が砂糖を摂取しすぎてしまうと、糖尿病を発症するリスクが高まります。

先ほど、砂糖を摂取しすぎると肥満の原因になるとお話ししましたが、肥満も糖尿病が発症する原因の1つとなる可能性があります。

糖尿病になるとインスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンの働きが悪くなるため、必要な糖が体に行き渡らなくなってしまいます。

一度糖尿病を発症すると、一生涯治療をしなければなりませんし、さまざまな合併症を引き起こしやすくなります。

そのキッカケを作らないためにも、猫が砂糖を摂取しすぎることを避ける必要があります。

対処法

診察を受ける猫

万が一、猫が砂糖を舐めてしまっても、少量であればすぐに命にかかわるほど危険な食べ物ではないでしょう。

しかし、猫の体に悪影響を与えてしまうことに変わりはありません。

持病を持つ猫や食事管理を徹底している猫などは、ごく少量の砂糖の摂取でも症状が悪化してしまう可能性も十分考えられます。

砂糖やお菓子、砂糖の入った飲み物を猫がうっかり口にしてしまう事故が起きないように、保管場所を見直すなどの対策が大事になります。

もしも砂糖を舐めてしまった猫に、下痢や嘔吐、元気がないなど普段と異なる様子が見られたら、すぐに動物病院を受診するようにしてくださいね。

応急処置として与える場合もある

ぐったりする猫

ここまで、猫に砂糖を与えてはいけない理由についてお話ししてきました。

しかし、時と場合によっては砂糖が猫の命を救う食材になるかもしれません。

たとえば、猫が激しい下痢や嘔吐で脱水症状を起こした際に塩を少量加えた砂糖水を与えると、経口補水液の代わりになります。ただし、砂糖の量が多いと下痢がひどくなったりかえって吐き気を誘発します。注意が必要です。

さらに、低血糖状態の猫に砂糖水を飲ませると応急処置になります。低血糖の場合、血糖値が正常に戻ると症状は治まってきます。砂糖が体内で分解されブドウ糖になると体内で利用できる状態になります。低血糖状態の場合は、砂糖ではなくブドウ糖を利用すると理想的です。

ただし、あくまでも応急処置ですので、脱水症状や低血糖などの症状が見られたら、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。

まとめ

角砂糖に触れる猫の手

今回は、猫が砂糖を摂取することの危険性についてご紹介いたしました。

猫が生きていくうえで、「砂糖は必要のない食べもの」と言い切っても良いでしょう。

猫は、甘さを感知する器官が存在しないので、甘いものを美味しいと思って口にしているわけではありません。

それだけではなく、砂糖を摂取しすぎると、肥満や糖尿病のリスクが高まってしまいます。

ごく少量の砂糖なら問題ないとはいえ、体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、緊急時以外は与える必要はありません。

猫に長生きしてもらうためにも、砂糖の誤飲や誤食がないように気を付けてあげましょう。

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