兄譲りの長いしっぽ
メインクーン猫のAltair(5歳)は、米国ミシガン州に住んでいます。生存中の猫では世界最長のしっぽを持つ、特別な猫です。2021年10月時点で体重は9キロほどですが、しっぽの長さは40.83センチもありました。現在では、もっと長くなっているかもしれません。
「兄のCygnusも最長のしっぽの持ち主だったので、遺伝でしょうね」と飼い主のWilliam Powers医師はいいます。Altairを含め、計4匹のギネス記録保持猫を飼育してきました。
「わたしが毎日調合している特別食も、スペシャルな猫を育てる理由のひとつかもしれませんね」
最初に彼がAltairに出会ったのは、2017年に飼い猫たちを亡くした後でした。
「ふたたび猫を飼いたいと思うようになったとき、知人のブリーダーが、生まれたばかりの子猫たちがいると教えてくれたのです。うち1匹はシルバーのオスのメインクーンで、亡くしたCygnusの腹違いの兄弟だとわかったのです。すぐに欲しいと伝えました」
「子猫はCygnusの小さいころにそっくりで、いやに長いしっぽを持っていました。しかも年齢とともに、どんどん伸びてフサフサになっていったのです」
大きな体でも、性格は甘えん坊
この長いしっぽを使って、Altairはよくおしゃべりをするそうです。その日の気分や好奇心、イライラなどの感情が、しっぽの動きにはっきり現れます。そんな姿は、亡兄にそっくりだといいます。
Altairは変わり者で、ときに不気味にふるまったり騒音に怯えて逃げたりします。でも甘えっ子で、Williamさんが自宅で患者さんとテレビ面談で忙しいときも、後ろ足で立ち上がって「なでて」とせがんだりするそうです。
起きているときは飼い主におやつをねだったり、抱っこされて顔をこすってもらったりするのがお気に入りだそうですよ。
ギネス記録はチャリティのために
Altairがギネス世界記録に認定されたとき、Williamさんは喜びと同時に感傷的な気分になったといいます。
というのも、以前自宅が火事になったときに、当時最長しっぽの世界記録を持っていたCygnusと、身長記録(48.4センチ)を保持していたArcturusがともに亡くなってしまったからです。
Cygnusのしっぽは44.66センチもあったので、歴代最長しっぽ記録はまだどの猫にも破られてはいません。
「火事があったとき、猫の保護施設の代表を務めていました。亡くなった2匹のすばらしい記録保持猫たちと一緒にチャリティ活動ができたらよかったのに…と悔やまれます。でもAltairたちが記録を作ってくれたので、活動に登場させ、資金集めに役立てることができます。失ったチャンスを、天がふたたびくれたような気がしています」
猫たちは資金集めのイベントなどに登場して、ボランティア活動や猫の保護施設のために尽力しています。ギネス記録は、人集めに大いに役立っているそうです。
出典:Handsome cat Altair inherited longest tail record from his late brother