1.猫は人間や犬と比べて味覚が鈍い
動物の舌には、食べ物の味を感じ取る味蕾(みらい)という器官があります。味蕾の数は動物ごとに異なり、人間の10000個以上、犬の約2000個と比較して、猫は500~700個と味蕾が少ないことがわかっています。
味蕾が少ない猫は人間のような繊細な味覚を持っておらず、犬と比べても味覚は鈍いということです。どうやら猫は味ではなく、匂いや食感で食べ物の美味しさや好き嫌いを判断しているようですね。
愛猫がドライフードを食べてくれないという時は、人肌程度に温めて香りを立てたウエットフードをトッピングすると、匂いと舌触りの良さで食いつき改善が期待できるでしょう。
2. 猫は「甘味」や「旨味」を感じ取れない
人間が感じ取れる味覚は「塩味」「酸味」「苦味」「甘味」「旨味」の5種類ですが、猫が感じ取れるのは「塩味」「酸味」「苦味」の3種類だけで、「甘味」と「旨味」は感じ取れないと言われています。
肉食動物である猫は甘いものを食べる必要がないので、甘さを感じ取る味覚が発達しなかったのだと考えられています。
飼い主さんが甘いお菓子を食べている時に、「ちょっとちょうだい!」とおねだりしてくる猫もいますが、お菓子を分けてあげたところで愛猫が飼い主さんと同じように美味しさを感じられるわけではないのです。
愛猫が甘いお菓子を好む場合は、おそらくお菓子に含まれるバターなどの脂質が好きなのでしょう。
3.猫は「酸味」「苦味」により食べ物の安全性を判断している
猫は「塩味」「酸味」「苦味」の3種類の味覚の中でも、特に「酸味」と「苦味」に対する味覚が鋭いようです。
野生時代の猫は、動物の肉を主食として生活していました。狩りをした直後なら新鮮な肉を食べることができますが、小分けにして獲物をとっておいた場合や、すでに死んでいる状態の動物を見つけた場合には、肉が腐敗していないかどうかを確かめる必要があります。
動物の肉は腐敗すると、「酸味」と「苦味」が強くなります。猫は「酸味」と「苦味」の程度を調べることで、肉が新鮮なのか腐っているのかを判断していたのです。
また猫は「酸味」と「苦味」を感じると「これは腐っているから食べると危険だ!」と思ってしまうため、酸っぱい食べ物や苦い食べ物を嫌う傾向があります。
みかんのように酸っぱさが魅力の食べ物を猫に与えても、「こんなものいらない!」と顔を背けられてしまう可能性が高いでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:ノキア♂ / 6歳 / キジシロ / 6kg
猫は決して味覚が鋭い動物ではないので、飼い主さんが美味しいと感じる食べ物が愛猫にとっても美味しいとは限りません。
愛猫に美味しい物を食べる喜びを味わってもらうためには、猫の味覚に合わせてフードやおやつを選ぶことが大切です。
猫は「甘味」や「旨味」を感じられず、「酸味」と「苦味」を苦手としていますが、アミノ酸の味は好むとされています。
新鮮な肉や魚にはアミノ酸が豊富に含まれているので、猫のフードやおやつは新鮮な肉や魚が原材料になっているものを選んであげてくださいね!