日常に潜む猫の危険な事故とは
猫の身に降りかかる事故は、交通事故だけではありません。一見安全だと思われる室内にも、多くのトラップが潜んでいます。
そしてその罠は、私達人間の日常の他愛もない「うっかり」が作り出してしまうことすらあるのです。気が付いたときには「こんなはずじゃ…」と後悔してしまうかも?!
そこで今回は、猫の日常に危険な事故について解説いたします。くれぐれも気のゆるみにはご注意ください。
1.日用品・おもちゃの誤飲
完全室内飼育の猫が見舞われる事故の中で最も多いのは、誤飲の事故です。特に袋や紐、おもちゃの誤飲はワーストワンです。
なぜかというと、これらのものは全て猫にとっては獲物に見えてしまうからです。狩りをするつもりで遊ぶ過程で熱が入り、飲み込んでしまうことがあります。
日用品を出しっぱなしにする癖がある飼い主さんは、頑張って片付ける習慣を身につけてください。猫のおもちゃも例外ではありません。
とくに小さなおもちゃや紐がついたおもちゃを放置するのは厳禁です。必ず一緒に遊び、飽きたら戸棚に収納するように心がけましょう。
2.人間の食べ物・洗剤の誤飲
次に多いのは、食品や洗剤の誤飲です。猫と人間の体質は異なるため、人間の食べ物の中にはいくつか、猫の命を奪ってしまうようなNG食材が存在します(例:チョコレート・ネギ・玉ねぎなど)。
愛猫がこれらの食品に触れることがないように、普段からキッチンへの侵入を阻止するようにしてください。たとえば、予め扉をつけおくと安心でしょう。
また、食材の放置に気をつけましょう。たとえ常温保存ができるものも、猫の手が届かない場所に収納するようにしてください。
洗剤も同様に注意が必要です。においが気になるあまり、猫が舐めてしまう恐れがあります。少々面倒くさいと感じても、猫と暮らしているご家庭では、洗剤はその都度戸棚に戻すように習慣づけてくださいね。
3.低い場所からの転落
『猿も木から落ちる』という言葉があるように、猫も思わぬ場所から転落することがあります。中でも意外なのが、低い場所から落ちてしまうこと。例えば、椅子やテーブルの上などから猫は落ちてしまうことがあります。
これらの場所から足を滑らせた場合は、着地地点までの距離が短いため、着地のための姿勢を整えることが間に合わない場合が多いのです。
そのため、ある意味ある程度高さのあるようなキャットタワーから転落するよりも、椅子やテーブルなど低い場所からの転落の方が大怪我につながる恐れがあります。
フローリングの床が原因で大怪我をしそうなのであれば、絨毯を敷くなどの対策をすると良いでしょう。もちろん高所からの転落も、それなりにリスクを伴います。まずは落下しそうな場所には、大きめのクッションを置くなどの対策をしておきましょう。
4.感電
猫は好奇心旺盛な生き物です。特に子猫のうちは、あらゆるものに興味を持ちます。
その対象が、コンセントや充電器のケーブルに及んでしまうと一大事です。一歩間違えたら感電死する恐れがあります。
スイッチひとつで電源が落ちるタイプのコンセントを活用したり、コンセントカバーを使用すると安心です。とはいえ、簡単に抜き差しできるものは、その都度抜いてしまうに越したことはありません。
特に外出前はバタバタしがちなので、点検する余裕を残して行動する癖をつけてしまいましょう。
5.浴槽での溺死
お風呂場は涼しく、猫にとっては避暑地になります。更に洗面器にお水を張っておけば水分補給ができるため、留守番時の休憩スペースとして活用するには良いスポットになります。
ここで注意したいのが、残り湯の存在です。蓋に飛び乗ったはずで浴槽に落下し、溺れる恐れがあります。便利な場所である一方で、ご家庭では最も危険な場所にもなり得るでしょう。
洗濯目的や防災目的で残り湯を溜めている場合は、浴室を出入り禁止のエリアにしてください。そのうえで、扉の閉め忘れに注意しましょう。
6.脱走
猫はちょっと目を離した隙に飛び出してしまいます。いわゆる脱走です。
換気中は網戸をしっかり閉めること、荷物の受け取り時には猫が後ろにいないことを確認することなど、とにかく逃げ出さないように気をつけてください。
力の強い猫は網戸を自力で開けたり、破って逃げてしまう場合があります。窓の鍵に取り付けるストッパーを活用したり、脱走防止の柵を取り付けるなどの工夫をするとリスクを減らすことができます。
まとめ
安全面が高く推奨されている猫の完全室内飼育。しかし、思わぬ落とし穴は室内の至る場所に潜んでいました。
中でも「誤飲」「転落」「感電」「脱走」は、4大リスクといっても過言ではないでしょう。そこに飼い主さんの「うっかり」が加わることで、更に猫の事故が起こりやすくなってしまいます。
使ったものを放置しない・転落の衝撃に備える対策をする・コンセント周りの環境を整える・施錠を意識するなどの習慣を身につけながら、事故防止に努めましょう。