猫の「自律神経失調症」の症状
猫の「自律神経失調症」の症状は、急性から慢性までさまざまです。
どの年齢でも発症する可能性があります。3歳以下の若い猫で発症することが多いとされていますが、謎の多い病気であるため、明確な特徴などは不明です。キー・ガスケル症候群(自律神経異常症)とも呼ばれます。
1.消化器の不調
自律神経がバランスよく作用しなくなるため、消化管の運動が低下して食欲がなくなったり、嘔吐したりします。
食道の機能も低下してしまうため、食べたものが食道に留まり、吐き出してしまうことも増えます。さらに、猫が吐いたときに誤嚥すると誤嚥性肺炎を起こしてしまうこともあります。
2.排尿困難・排便困難
排泄のコントロールも自律神経が行っています。排泄に関わる神経に問題があると、自分で排泄をすることが困難になり、失禁することがあります。
持病として膀胱炎などの排尿トラブルがある場合、トラブルを起こしやすくなることなども注意が必要です。
- トイレ以外の場所で排泄をする
- トイレに入るがおしっこやうんちが出ない、少ししが出ない
- 外陰部が濡れている
3.目の不調
猫の目には「第3のまぶた」と呼ばれる瞬膜というものがあります。眼球とまぶたの間にあり、まぶたを閉じたときに目頭から目尻の方向に動いて閉じます。
健康な猫ならわずかに瞬膜が見えることがありますが、自律神経のトラブルが関係して瞬膜が出たままになる場合があります。
他にも、猫が自律神経失調症になった時の目の不調としては、涙の量が減ったり、瞳孔が開きっぱなしになったりもします。
4.その他の不調
自律神経は自分でコントロールできない内臓の動きや体液の分泌などの働きを調節している神経です。自律神経の働きが障害されている部分に症状としてあらわれます。
- 元気がない
- 体重が減る
- 唾液が減る
- 心拍数の低下
冒頭の3つ以外でもこれらのような症状が見られた場合は、愛猫の「自律神経失調症」を疑って獣医師に相談しましょう。
猫の「自律神経失調症」は治る?
「自律神経失調症」の猫が多くないことから原因がはっきり分かっていません。
そのため効果的な治療方法がなく、症状を緩和させる治療が行われます。
しかも予後が悪い場合があり、治るのは稀です。
猫が「自律神経失調症」になったときに飼い主がすべきこと
では、愛猫が「自律神経失調症」と診断された場合、飼い主としてすべきことについて紹介します。
指示されたとおりに投薬をする
動物病院で「自律神経失調症」と診断されたら、消化管の運動を良くする薬や目を乾燥から保護する薬などが処方されることがあります。
獣医師の指示通りに正しく猫に投薬して、症状を楽にしてあげましょう。
食事や排泄の介助をする
食事を吐き出してしまう猫には、食べたものが胃に落ちやすいように食事中や食後の姿勢をサポートする必要があります。
また、排泄に問題がある場合は、愛猫の状態に合わせた介助の方法を動物病院で指導してもらいましょう。
猫が快適に暮らせる環境を作る
愛猫がストレスを感じないような部屋作り、室温や湿度の管理、掃除をして清潔を保つことなどを行います。猫がリラックスして過ごせるようにしましょう。
まとめ
猫の自律神経失調症は、食欲低下や目の乾きなどさまざまな症状があらわれることが多いです。原因が分からず、根治することは難しいため、対症療法で治療することが多いです。
猫に症状があらわれたら早めに動物病院を受診し、投薬、食事などの介助をしてあげましょう。