猫が思わず「スリスリ」したくなるタイミングとは
猫は、事ある毎に頬や体を人や物に擦り付けているのはご存じのことかと思います。通称『スリスリ』と呼ばれるこの行動ですが、これには何か決まったタイミングのようなものがあるのでしょうか。
また、「人」相手にする場合と「物」相手にする場合とで違いはあるのでしょうか。
そこで今回は、猫が思わずスリスリしたくなるタイミングや意味合いを紹介いたします。
1.家具や寝具を新調した時
飼い主さんが新しい家具や寝具などを購入すると、愛猫が決まってスリスリしていませんか?
これは縄張り意識によるマーキングで、スリスリすることでその家具や寝具に自分のにおいを残そうとしている行動です。
猫の頬には臭腺と呼ばれる部位があり、そこからフェロモンが放出される構造になっています。そのため、頬ずりのような仕草を繰り返すのです。
ちなみに、マーキングといっても、放尿によるスプレー行為のような悪臭はありません。
2.パトロールの時間が来た時
猫にはパトロールの習慣があります。その際に通過した場所や、元々マーキングしてあった場所にスリスリして歩きます。
テリトリーに繋がる道にもにおいを残す目的や、再度マーキングすることによってにおいの消失を防ぐ目的を果たしているのです。この行動が猫自身の安心感に繋がっています。
ちなみに猫の1日はルーティーン化されているため、パトロールの時間も概ね決まっています。毎日の日課だと思って見守ってあげてください。
3.仲間と挨拶を交わす時
スリスリにはにおい付の他に、挨拶の意味があります。それも親しみを込めたものです。
お互いのにおいを交換し合い、「今日も元気だよ」「さっきパトロールした場所は異常なしだったよ」と会話をするのです。
飼い主さんに対しても同様で、「おはよう」「おかえり」などと語りかけています。それぞれの場面に合った言葉を返しながら撫でてあげることで、こちらの気持ちを伝えてみてください。
4.飼い主さんに用事がある時
スリスリによるメッセージは挨拶だけに留まりません。飼い主さんに用事がある時も同じように擦り寄ります。そこにアテレコをするのであれば、「ねぇねぇ」がピッタリでしょう。
その続きとして「ご飯まだ?」「トイレ掃除お願い」「遊んでよ〜」などの欲求が加わります。全ての要望に即答する必要はありませんが、トイレ掃除だけは対応してあげてください。
猫トイレを汚いままで放置すると、猫はそこでトイレをすることができずに我慢するようになってしまいます。後々膀胱炎や尿路結石などの病気や他の場所で粗相をしてしまうようなトラブルにも繋がる可能性があるため、トイレ掃除の件だけは急用だと理解してあげましょう。
5.飼い主さんの帰宅後
帰宅後もスリスリしてくることが多いのではないでしょうか?飼い主さんに直接する場合は「おかえり〜」という挨拶です。
一方で、鞄や靴などの持ち物に念入りにスリスリするのは、浮気チェックと浮気予防の意味が込められています。
まずはにおいを嗅ぐことで、他所の猫との接触がないか、どんな人と会っていたのかを確認します。
そして再度、「私の縄張り(大切な人)を取らないでね」という気持ちを込めてマーキングを行います。においは外出によって消えてしまうので、毎日行う必要があるのです。
まとめ
今回は、猫が「スリスリ」したくなるタイミングについて解説しました。
ものに対して行う主な理由はマーキングで、自分のにおいを残したいという場合が多かったですね。一方、人に対しては何らかのメッセージを伝える手段として使われています。素っ気ない態度とのギャップが愛らしいですよね。
身近なところで頻繁に目撃する猫の「スリスリ」。そのシチュエーションを掘り下げてみると、奥深い意味合いや猫の本能が見えてきました。猫にとっては重要な行動だったようです。