猫の「体温が低い」時のサイン
一般的に、抱っこすると温かく感じるはずの猫の体温が通常よりも低い場合、体調不良が起きている可能性があります。しかし、体温計を使わない限り、愛猫の体温が低いかどうかまではなかなか気が付かない場合も。
そこで今回は、猫の「体温が低い」時のサインについて解説します。愛猫の体調不良をうっかり見逃してしまわないようにサインを覚えておきましょう。
1.丸くなって動かない
体温が低くなっている時、猫は寒いと感じています。体の熱が逃げないように体を丸めてじっとしています。
2.元気がない、食欲がない
いつもと違っておとなしい、ごはんを食べようとしないなど、体温が低くなってしまったことで元気がなくなります。トイレにも行こうとしません。
3.猫の体が冷たい
猫の平熱は、人よりも高く38~39℃です。健康な猫を触ると少し暖かく感じます。
猫を触ってみていつもよりも冷たく感じたときは、低体温になっている可能性があります。
4.凍傷
猫が長い時間寒い場所にいた場合、凍傷になることがあります。足、しっぽ、耳、陰嚢に変色や水ぶくれなどが生じることがあります。
被毛をかき分けて皮膚を確認しましょう。
5.震えている
体温を維持するために、筋肉を収縮させて熱を作ります。体を震わせても体温が下がっていってしまうと、体を震わせることができなくなり、体が硬直したり意識がなくなったりします。
さらには症状が悪化して、命に関わる状態になります。
猫の「体温が低い」時に考えられる原因
では、普段は人間に比べて体温が高めであるはずの猫なのに、上記のような「体温が低い」時のサインを出しているのを目にした場合、そこで考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
体が濡れた
雨に濡れる、水の中に落ちる、尿で体が濡れるなど、水を浴びてしまう状態になると猫の体温は低下します。
猫の毛は濡れるとなかなか乾かないため、体温調整がうまくできなくなり、体温が低くなってしまうのです。
寒い場所にいた
部屋の暖房が入っていなかったり、寒い時期に脱走したりすると体温が低くなるおそれがあります。
寒い場所で動かずにいた場合、凍傷を起こしている可能性もあります。
病気
様々な病気による体調不良や体力の低下で、体温が低下する場合があります。
子猫、老猫
生まれたばかりの子猫は、自分で体温を保つ機能が十分に発達していません。子猫が低体温になると、衰弱して命に関わることがあります。
体力の衰えた老猫も体温を上げる能力が劣ってしまい、低体温になることがあります。特に高齢で体力の消耗した老猫は、冬の寒い時期などは低体温が致命的になることもあるので注意が必要です。
猫の「体温が低い」時の対処法
猫が体温が低いサインを出している時や、触ってみて体温が低い時、動物用の体温計で測ってみて低い時は、迷わず動物病院を受診しましょう。このような状態の時に十分な治療をしないと、危険な状態となってしまいます。
動物病院に到着したら、猫の体温が低いことや今までの健康状態、体温が低くなった原因などを正しく伝えましょう。
動物病院を受診のための準備
猫がいる部屋を暖かくします。子猫や老猫がいる場所は、普段から暖かく過ごせるようにしましょう。
猫の体が濡れている場合は、タオルで拭いて乾かします。
猫の体温がこれ以上下がらないように、猫を毛布で包みます。
なお、ドライヤーやカイロを猫の体に直接当てて表面の温度を急に上げてしまうと、逆に体調が悪くなることもあります。毛布と毛布の隙間にドライヤーの温かい風を送ったり、カイロを入れたりしましょう。体の一か所に熱いものを触れさせ続けることで低温やけどを起こすこともあるので気を付けてあげてください。
病院への移動中もキャリーバッグに毛布をかけるなどして、猫の体温が下がらないようにしましょう。
まとめ
猫は「体温が低い時」には、元気がなくなったりブルブルと震えたりするようなサインを出します。
その原因は、体が濡れた、怪我、病気などさまざまです。
猫の体温が低い時は、これ以上体温が下がらないようにして、迅速に動物病院を受診しましょう。