1.ネズミを追い払う効果
猫の首輪に鈴をつけるメリットとしてまず挙げられるのが、鈴の音でネズミを追い払うことが期待できる点です。
元々、猫は蔵や倉庫に侵入し備蓄などを喰い漁るネズミ対策として飼われていました。ただ、ネズミは何かと不潔な動物。感染症などのウイルスを媒介することもあります。
猫の首輪に鈴を付けることで、まわりに猫の存在を知らせることができるため、ネズミとの接触を避けて追い払うことが期待できます。もちろん、現在の日本においてそこまでネズミが大量発生するケースは少ないですし、完全室内飼いが一般的になっている今、その影響力はあくまでも自宅の中のみにはなりますが。
ちなみに猫の首輪の由来は、あの『イソップ物語』とも言われています。自分たちを狩る猫の接近に気付けるように、ネズミたちがあの手この手で猫に鈴を付けたという話です。ただ、実際はそんなことをしたらその場で狩られるのが目に見えているので、皮肉を込めた意味合いで引き合いに出されることもあるようです。
2.猫の居場所を把握しやすくなる
猫の居場所を知ることができるのは、ネズミたちだけではありません。人間も猫が近くに寄ってきたとき存在を感知しやすくなります。
猫は気配を消して忍び寄るハンター。足音を立てずに行動するため、うっかり踏んだり巻き込んでしまう事故も少なくありません。
そのようなトラブルも、愛猫の首輪に鈴を付けておけば、音で察知しやすくなるため回避しやすくなります。
3.万が一の脱走時に役立つ可能性がある
家の外へ猫が飛び出して迷子になる脱走時も、首輪に鈴を付けておくことで役立つケースはあります。鈴の音で猫の居場所を把握しやすいため、発見率向上が期待できます。また、鈴を付けていること自体が特徴となるので、第三者からの目撃情報の提供も増えるかもしれません。
もちろん、脱走を未然に防ぐことが重要ではありますが、万が一の備えとして、猫の首輪に鈴を付けるのは有効な対策といえます。
4.鈴が猫にとってストレスに繋がる懸念も
ここまでは猫の首輪に鈴を付けるメリットを解説してきましたが、反対にデメリットも存在します。それは、鈴を付けることによって猫がストレスを感じてしまう可能性です。特に、鈴の音は聴覚が発達している猫にとって煩わしいものであるかもしれません。
子猫の頃から鈴の存在に慣れていない猫の場合は、その音でストレスを感じてしまう懸念も考えられます。その他にも、鈴の種類によっては重みで首が疲れることも懸念されます。
鈴と猫のストレスに関する具体的な研究報告はあまりありませんが、ひとつのデメリットとして捉えておきましょう。
まとめ
猫の「首輪に鈴」をつけることで、ネズミなど野生動物を追い払う効果や猫の存在を感知しやすくするメリットが期待できます。その一方で、猫にとってストレスの原因となる可能性も捨てきれません。
正直な話、完全室内飼育の猫にとってその必要性はやや低いといえるでしょう。ただ、猫が外に出かける習慣があったり脱走癖があるという場合は、脱走に伴うリスクを軽減してくれる可能性もあります。どうしても外に出ることが多い場合には、装着することを検討する余地はありそうです。
今回の記事を参考に、猫の首輪の鈴について改めて見直してみてはいかがでしょうか。